今年のスーパーラグビーで南アフリカ・カンファレンスを制し、準決勝進出を果たしたシャークスだが、9月29日、ジェイク・ホワイト監督の突然の辞任を発表した。
およそ1年前、当時ヘッドコーチを務めていたブランビーズ(オーストラリア)を「家族との時間を優先したい」との理由で電撃退団し、母国の南アフリカに戻ってシャークスの指揮官となったホワイト氏。3年契約の1年目から結果を出し、来季こそは悲願の初優勝を、とファンの期待も高まっていたが、2007年ワールドカップで南ア代表を世界一に導いたこの名将は、実はブランビーズにいた頃から、再びナショナルチームの指揮官として国際舞台で戦いたいという志を持っていて、2015年ラグビーワールドカップに参加すべく、大胆な行動に踏み切ったと思われる。
2007年ワールドカップで南ア代表のキャプテンを務め、現在はシャークスのCEO(最高責任者)であるジョン・スミット氏は、ホワイト氏とは密接な関係にあり、選手育成システムやコーチングストラクチャーにも着手してチーム改革に全力で取り組んでくれたホワイト監督に感謝している。関係はいまなお良好で、彼の新たな挑戦に理解を示した。
ホワイト氏の家族はケープタウンに住んでいるが、同地を本拠地とするストーマーズ(スーパーラグビークラブ)のスタッフになる可能性は低いかもしれない。
現在、ホワイト氏にアプローチしている国の名は具体的には挙がっていない。ワールドカップ2015イングランド大会開幕まで1年を切り、彼を指揮官として迎える代表チームがあるかどうかは不明だが、コーチングスタッフとして招く可能性もある。分析力にも優れる経験豊富な名指導者ゆえ、多くのチームが注目していることは間違いない。
ちなみに、ホワイト氏はエディー・ジョーンズ現日本代表ヘッドコーチとも強い信頼関係を築いていることは有名だ。2007年ワールドカップでジョーンズ氏は南ア代表のテクニカル・アドバイザーを務め、同チームのヘッドコーチだったホワイト氏を支えた。
【関連記事】
ブランビーズを再建した名将ホワイト 契約途中で電撃退団へ!
http://rugby-rp.com/news.asp?idx=104895&code_s=1003
南アに帰った名将ホワイト、シャークスのディレクター就任! 背後にスミット
http://rugby-rp.com/news.asp?idx=104942&page=8&code_s=1003