キヤノン新人LO宇佐美、ジャパンに追加招集　初任給の使い道は「iPad」

　キヤノンの新人であるLO宇佐美和彦が、11月に国内外でのツアーをおこなう日本代表に追加招集された。かねて21～30日の宮崎合宿への参加が決まっていたが、故障者の代役として正規のメンバーとなった。立命館大（関西大学Aリーグ）の3年だった一昨季に日本代表候補となっていた。

　身長197センチ、体重112キロの巨躯ながら、試合中の低いタックルの質と量に定評がある。今季は新人ながら日本最高峰のトップリーグのファーストステージ・プールBで全7試合にフル出場。キヤノンの永友洋司監督は、かねてこの新人を「代表に送り込みたい」と話していた。開幕前、「日本代表のエディー・ジョーンズ ヘッドコーチからは直接、LO宇佐美への課題を言い渡されているのか」という問いには「それを言うとまずいかも知れない」としながら、「ワールドカップ（2015年イングランド大会）に出られるように育てたい」と期待の言葉を口にした。

 「経験を積むことだと思います。試合時間を増やすことによって、次のステージも見えてくる」

　本人は初任給で、「iPad」を買った。映像のダウンロードや再生ができるタブレットに、実戦形式練習の映像を取り込む。出勤時、寝る前、勤務地の神奈川・川崎市からグラウンドのある東京・町田までの電車内…。暇さえあれば「自分の仕事ができているか」を確認している。リーグ戦期間中、こう語っていた。

 「パソコンでも良かったんですけど、持ち運びができるということで。仕事の行き帰り、寝る前とかに観ています。まずはキヤノンで頑張って、エディーさんに認められたい」

　普段の向学心をプレーのバージョンアップにつなげようとする大型新人である。ジャパンでは、国内最多の85キャップ（国同士の真剣勝負への出場数）を誇るLO大野均（東芝）らと定位置を争う。