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2人の弟と7人の妹。テビタ・タタフ、家族のためにも一流の道歩き続ける。

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Jr NO8

将来のスター候補。ジュニア・ジャパンのNO8テビタ・タタフ(撮影:松本かおり)


 流ちょうな日本語で答えた。
「あまりうまくしゃべれません」
 周囲が冷やかす。
「なんで嘘つくんだよ(笑)。うまくしゃべれるじゃん」
 東京・目黒学院高校3年、テビタ・タタフはシャイな少年だ。走れば豪快に突破するし、タックルも激しいのに、普段はとても優しい。ジュニア・ジャパンのNO8、ペネトレーターとして期待されている。

 3月5日、『ワールドラグビー パシフィック・チャレンジ2015』(10日~)がおこなわれるフィジーに向けて日本を発った同チーム。大会ではカナダA(10日)、フィジーA(14日)、トンガA(18日)と戦う。
「よく知らないけど、トンガのチームには友だちもいるのかもしれない」
 タタフは母国との対戦を心待ちにしている。高校1年、2年と高校日本代表に選ばれた。ワンランク上の相手に、自分のパワーがどれだけ通じるか試したい。
「コンディショニングのことや、FWの組織プレーに関してコーチや周囲と連係をとってチャレンジできるようになってきています」
 少し照れながら、自身の成長を口にした。

 トンガ出身の両親がアメリカ領サモアに住んでいるときに生まれたタタフ。8歳のときに家族とともにトンガ王国、ババウ島へ引っ越した。来日したのは3年前。目黒学院中で3学期を過ごし、目黒学院高校では2年生時にSOアタアタ・モエアキオラ(今回のジュニア・ジャパンにはCTBで選出)とふたりでゲームを支配し、チームを花園へと導いた。
「将来はトップリーグでプレーできたら嬉しいし、スーパーラグビーにも行けたら。日本代表でもやれたらいいですね」
 憧れのプレーヤーはジョージ・スミス(元オーストラリア代表/2013年度まで)。チームと仲間の信頼を得るプレーヤーになりたい。人間性をもっともっと高めるためにも東海大に進学し、心身をみがく(モエアキオラも一緒に進学)。

 目黒学院高校の幡鎌孝彦監督にピュアな内面のことを聞いたことがある。
 高校2年時の夏のことだ。日本航空高校石川と練習試合をおこなった。相手校にもいるトンガからの留学生2人と対峙して熱くなった。闘志むき出し。互いの留学生たちが常にボールを持ち続ける展開になった。
 試合後、監督は他の部員たちに「あの闘争心を見たか。見習わなければならないぞ」と言う一方で、タタフらを叱った。
「気持ちをむき出しにして戦うのはいい。でもキャプテンの声を聞かなかったり、仲間をほっぽり出すのはダメだ」
 ごめんなさい。ポロポロと泣き出したそうだ。
 大家族の長男。2人の弟と7人の妹がいる。いちばん下は、まだヨチヨチ歩き。家族のためにも一流のラグビー人生を歩みたいと強く思っている。


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