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NZ代表マコウ主将が引退発表。ヘリコプターのパイロットとして新たな道へ!

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晴れ晴れとした表情で引退を発表したリッチー・マコウ(Photo: Getty Images)


 世界最多の148テストキャップを重ね、オールブラックス主将としてワールドカップ連覇を遂げたリッチー・マコウ(34歳)がついにブーツを脱ぐ決断をした。11月19日、ウェリントンのニュージーランドラグビーハウスで会見をおこない、自らの口で現役引退を発表した。

 レジェンド、ジョナ・ロムーが亡くなった翌日のショッキングなニュース。会見日時は前もってスケジューリングされ、マコウがクルセイダーズの2016年スコッドに入っていなかった時点で引退は確実視されていたが、偉大な英雄たちの終幕に、一時代の終わりを受け入れざるを得ない。

「私はブーツを脱ぐつもりです。オールブラックスとして、またプロフェッショナルラグビープレーヤーとしての私の最後のゲームは数週間前のワールドカップ決勝でした。後悔はしていません」

 マコウは1980年の大晦日、ニュージーランド南島ノースオタゴ地区のオアマルーという小さな町に生まれた。農家で育った少年は、オタゴ・ボーイズ高校でラグビーの才能を導き出され、リンカーン大学で農業科学を勉強しながら楕円球を追い続けた。カンタベリーとU19、U21ニュージーランド代表でも才能を伸ばし、20歳のときに念願のオールブラックス初招集。2001年11月のアイルランド戦でデビューし、彼がマン・オブ・ザマッチに選ばれたその試合ではロムーもトライを挙げてマコウのデビューを勝利で祝った。

 15年におよんだ代表キャリアで前人未到のテストマッチ148試合(先発141試合)出場を果たした。頭脳明晰で運動量豊富、ブレイクダウンで恐れ知らずの最強ファイターだったマコウは、世界一のオープンサイドFLと呼ばれた。IRB(現 ワールドラグビー)の年間最優秀選手賞には、チームメイトで親友のダン・カーターと同じく3回(最多)輝いている。
 国民が選ぶスポーツ賞(ピープルズ・チョイス・スポーツ・アワード)も受賞したことがあるマコウは偉大なリーダーでもあり、23歳のとき(2004年11月のウェールズ戦)で初めてキャプテンを務め、2015年10月31日のオーストラリア戦に勝ってワールドカップ連覇を遂げるまでに111試合でオールブラックス主将としてチームをけん引した。

 2003年ワールドカップは3位、2007年大会は準々決勝で敗れ、つらい時期を過ごしたが、それを乗り越え、彼が先頭に立って仲間を鼓舞し続けたからこそニュージーランド代表は史上最強のチームとなった。体の傷は数えきれない。2011年は右足第五中足骨の疲労骨折が発覚し、ボルトを挿入したままプレーし続け、自国開催ワールドカップで栄冠を掲げた。今秋の大舞台でイングランドのジェイソン・レナードが持っていたワールドカップ通算最多試合(22試合)出場記録に並び、連覇を遂げたあとの会見で、「正直言って、まだ終わりにはしたくない。最高の仲間と一緒にすばらしいワールドカップ決勝でプレーしたんだ。きょう、このジャージーに再び袖を通したとき、私はとても誇り高く、名誉に感じた。こんな気分に浸るのに、もうたくさんだ、など思わないだろう。こんな最高の瞬間を味わったら、なぜ引退するのかと考えてしまうよ」と語っていたが、それから19日後、悩んだ末に引退を発表した。

 スティーヴ・ハンセン ヘッドコーチは、「彼は本当にすばらしいプレーヤーでリーダーだった。おそらく史上最高の人物だった」と賛辞を贈る。

 前回のワールドカップ優勝後に、現役でいるうちは優越感に浸りたくないという理由で『爵位』を断ったが、競技者生活を終えたいま、今度はナイトの称号を受けるつもりだ。

 オールブラックス主将として掲げた栄冠は、ワールドカップ2回、ブレディスローカップ(オーストラリア代表と争う伝統杯)10回、ラグビーチャンピオンシップ7回(そのうち4回はトライネーションズ)……。クルセイダーズの英雄でもあり、チームの優勝7回のうち4回、スーパーラグビー制覇に貢献した。

 来月末に35歳の誕生日を迎えるマコウは引退後、クライストチャーチでヘリコプターのパイロット(事業用操縦士)として新たな道を歩むつもりだ。祖父や父の影響で幼いころから飛行機が大好きだった。
「それは私が熱心になれるものです。将来に興奮している。私はラグビープレーヤーとしてエンジョイしてきましたが、これから起こることも楽しみにしています。ひとつの章が終わり、新たな章の始まりです」

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