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「近くて遠い10点差」。帝京大7連覇を象る細部とは。

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V7を達成した帝京大の選手たち(撮影:松本かおり)

<第52回全国大学選手権大会 決勝>
帝京大(関東対抗戦A・1位) 27-17 東海大(関東リーグ戦1部・1位)
(2016年1月10日/東京・秩父宮ラグビー場)


 帝京大の7連覇を止めたい東海大は、試合が始まるや宣戦布告した。

 FL藤田貴大主将がNO8ブロディ・マクカランに絡んだのを皮切りに、スクラムでは右PR平野翔平が左斜め方向へ圧力をかける。前半31分、モールから先制する。5-0。

 しかし、直後のキックオフだ。

 対するLO金嶺志が「勢いを」と鋭いタックルを放つ。球を奪う。敵の守りが整わぬうち、帝京大はWTB竹山晃暉のトライで同点とした。

 王者は後半開始時のキックオフでも前に出て、8-5と勝ち越した。15-5のスコアで迎えた11分頃には、計画通りに陣地を奪ったはずの東海大を前に、丁寧さと激しさを示す。自陣22メートルエリアでLO飯野晃司がランナーを倒し、NO8小野貴久が「チャンスだった」とボールに飛びつく。危機を脱した。

 両チームとも激しかった。ただ、王者がより丁寧だった。

 遡って前半20分頃には、ベンチサイドの相馬朋和スクラムコーチがHO堀越康介へ助言した。PR平野の角度ある押し込みに対し、「1番(帝京大の左PR徳永一斗)と一緒に肩で押さえろ」。向こうの「3番」はガス欠につき、後半7分で退いた。

 さらに遡ってゲーム開始直後だ。

 NO8アタアタ・モエアキオラにCTB濱野大輔ゲーム主将らが束で当たる。対する木村季由監督が「彼を軸にした選択肢」を期待していたなか、その「彼」、NO8モエアキオラはここで退いた。

 80分後。27-17という結末に、敗れた豊田真人コーチは声を絞る。

「近くて遠い10点差でした」
(文:向 風見也)

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