臨時的に南ア代表の主将を務めるマットフィールド(写真中央/ブルズの試合から)。
テストキャップ数は111になった(撮影:Yasu Takahashi/Nichigo Press)
テストキャップ数は111になった(撮影:Yasu Takahashi/Nichigo Press)
来年9月開幕のラグビーワールドカップで、プールBに入る日本代表にとって最大の強敵となる世界ランキング2位の南アフリカ代表(愛称:スプリングボックス)は、試合登録メンバー23人の平均キャップ数が40という経験豊かな布陣で今年最初のテストマッチに臨み、現地時間14日に地元ダーバンでおこなわれたウエールズ代表戦を38-16で制した。
東芝加入が決まったフランソワ・ステインが慢性的な膝の痛みもあってか、自ら6月のテストマッチシリーズからの離脱を申し出、主将のジャン・デヴィリアスも故障しているため、ミッドフィールドはヤン・サーフォンテイン&JP・ピーターセンという新たなコンビネーションを試したものの、セカンドローではヴィクター・マットフィールドとバッキース・ボタの最強ツインタワーが復活し、スタメンのうち11人がワールドカップ経験者と、ベテランが健在だ。
試合開始早々、ドロップゴールで相手に先制されたものの、グリーン&ゴールドジャージーの男たちはまったく動じない。前半6分、FBヴィリー・ルルーがチップキックを放ってWTBブライアン・ハバナがインゴールで押さえ、15分にはゴール前ラインアウトからの突進後、NO8デュアン・フェルミューレンが力強くねじ込み、主導権を握った。
19分にウエールズ代表のSOダン・ビガーが再びドロップゴールを決めたものの、直後、南ア代表のFBルルーが左サイドを突破し、サポートしたハバナがテストマッチ96試合で自身55本目のトライを獲得。37分には、代表入りして2年目のルルーがチップキックで裏に出した球を自ら押さえ、前半で勝負を決めた。
テストマッチデビューとなった新鋭WTBのコーナル・ヘンドリクスも後半に記念すべき初トライを挙げており、スプリングボックスは若い選手の確かな成長も印象付けた。
2015年ワールドカップでプールBに入るその他のライバルも、14日の試合では勝利を収めている。サモア代表は地元アピアにイタリア代表を迎え、15-0で快勝。北米に遠征しているスコットランド代表はカナダ代表に苦しめられたものの、試合終了まで残り時間10分を切った場面でSHグレイグ・レイドローが逆転のペナルティゴールを決め、19-17で辛勝している。