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【PNC】平常心で節目の試合へ。小野澤宏時、力みなくトンガ戦迎える。

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ついに日本ラグビー最多キャッパーとなる小野澤宏時(撮影/松本かおり)

 


 ジャパンの誇るフィニッシャー、小野澤宏時が、いよいよ明日(5月25日)のパシフィック・ネーションズカップ初戦のトンガ戦で、元木由記雄氏の持つ日本代表歴代最多キャップ79に並ぶ。

 


 練習後、報道陣に囲まれる小野澤の肩をエディー・ジョーンズヘッドコーチが笑顔で叩く。それに対して「いつもと同じですよ」と答えたベテランは、あらためて「ホント、やってきたことを出すだけ」と胸中を吐露した。

 


「(ラグビーは)準備してきたことしか出来ない。やってみないとわからない。そういう何が起こるか分からない中で少しでもプレーを組織的に行えるように、シェイプなどの考え方を持って、毎フェーズにこだわっていく。明日も、それが少しでもうまくいくようにやるだけ」
 あくまで平常心を強調するその顔には、まったく力みがなかった。

 


 今季は、アジア五カ国対抗の初戦、フィリピン戦で怪我に見舞われたが、UAE戦で復帰。若いWTBが台頭するバックスリーを、高い経験値でまとめている。周囲にも気を配る中で、「全体でコミュニケーションをとっていたところから、いまは個々の関係性を話すようになっていっている」とチームの進化を感じる最近。手応えを感じている。

 


 しかし、多くの修羅場を踏んできた人間として感じるのは、全員がコンパクトにまとまる安定感より、ニューパワーこそがチームを前進させるという事実だ。怖いもの知らずの思い切りがブレイクスルーの原動力になる。
「知らないことが長所になる。そういうことって、よくあると思うんです。知らないからからやれるプレーというものがありますよね。知っている者がそれをカバーしてあげれば、それがより生きる。みんなが同じじゃなくていい。怖さを知っている者が予防線を張って、若い人の力をチームのパワーにしたいですね」

 

 

 落ち着いた心で迎える節目の日。スタジアムには家族が訪れる。横浜の住人となって10年近く。その地で日本ラグビー史に記録を刻めるのも、何かの縁だ。どうせならトライと勝利を決めて、スタンドをお祝いムード一色に染めたい。


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