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桐蔭学園が価値ある完封勝利。花園制覇へ視界良好

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優勝を喜ぶ桐蔭学園のメンバーたち(撮影:高塩隆)


 東京都開催の第63回関東高校大会は6月14日に大会2日目が行われ、各都県1位4校(実績上位)が王者を決めるAブロック決勝戦は、桐蔭学園が流経大柏に19-0と勝ち、3連覇を達成した。

 全国選抜大会で4強入りした流経大柏と8強敗退した桐蔭学園。さらにさかのぼれば、関東新人大会では準決勝で対戦した両者は流経大柏が36-26で勝利していた。

「ディフェンス勝負だと思っていたので、完封できたのが一番うれしい。自信になります」と振り返るのは桐蔭学園のSH齋藤直人主将。

 この勝負を勝てば花園出場した場合、Aシードの可能性も残す。それにふさわしいお互いの厳しい防御と、洗練された攻撃が激突した。序盤から緊迫して先制点は前半18分。流経大柏のノックオンで得た敵陣ゴール前でのスクラムから8→9でSH齋藤が素晴らしいランニングコースからピンポイントのパスがFB塩田一成にわたり先制トライ。
 後半も両校の厳しいタックルが支配したが、流経大柏FWの足が止まり始めた後半17、22分とトライを追加した桐蔭学園が勝利を手にした。

「ディフェンスは合格点。目指しているところはまだまだですが、タイトルを取れたのは良かった」と桐蔭学園の藤原秀之監督は笑顔。

 敗れた流経大柏は選抜大会からワールドユース、関東大会と春は全国のどこのチームより実戦を経験した。準優勝に終わりはしたが、相亮太監督は「これから夏までの過ごし方が今後の勝負を決めます。もう一度整理して挑みたい」と前を向いた。
(取材:福田達)

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ボールがよく動いた決勝戦だったが、お互いの防御力が試合を引き締めた(撮影:高塩隆)


帝京大が春季大会制覇! 明大は密集戦に光明も王者の「矢印」に天仰ぐ

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怪我から復活した帝京大のFB重一生(撮影:井田新輔)


 関東大学対抗戦と同リーグ戦が交流する、関東大学春季大会。上位校同士のAグループ(前年度の各団体での上位3校による総当たり戦)では、大学選手権6連覇中の帝京大(対抗戦A・昨季1位)が全勝優勝を決めた。

 14日、静岡・草薙総合運動場では明大(同・昨季3位)に47-14で完勝。勝点を30に伸ばした。一方、敗れた明大は1勝3敗で勝点8。21日には岩手・盛岡南公園球技場で早大(同・昨季2位)とぶつかる。

 序盤、自陣で相手の攻撃を浴びた帝京大は、接点の周りで想定外の反則を取られる。そのまま前半7分にラインアウトモールから先制を許し(0-7)、以後も明大の接点での激しい圧力に難儀し、しばし笛を吹かれた。

 14-7とリードして迎えた32分も、自軍の反則で自陣ゴール前でのラインアウトを与える。最後はモールの最後尾にいた明大のHO中村駿太主将が、ゴールエリア左へ飛び込んだ。コンバージョン成功で、明大は14-14と同点に追いついた。

 もっとも、最後に笑ったのは帝京大だった。ハーフタイム直前、PR深村亮太が密集脇へ飛び込むなどして21-14とリードを奪う。後半3分には、明大の得点シーンにも似た形でHO坂手淳史がインゴールを破った(ゴールも決まり28-14)。その後も密集の真横から明大の選手に飛びつかれたが、LO飯野晃司は言う。愚痴ではなく、反省。

「レフリーが(反則を)取ってくれるプレー、取ってくれないプレーがある。そういうなかでも、相手の飛び込んでくるプレーにコミットしたいと思っていた。そこの精度を、もっと上げていきたいです」

 35-14とリードして迎えた後半20分、自陣ゴール前で明大のモールを崩す。「モールサック(組ませない動作)という部分が上手くいった」というLO飯野は、そのまま球を持った明大HO中村主将へタックル。「士気を上げるためにも、トライを取らせない、と」。そのまま、ボールに手をかける。「まずはしっかり止めるということを優先した。そこで相手が(自分のいた場所へ)真っ直ぐ倒れてきたので、ボールに働きかけて…」。明大のノット・リリース・ザ・ボール(地面に寝たまま球を手離さない反則)を誘った。

 敗れたHO中村主将の述懐。こちらも判定への対応に苦しんだ格好か。

「(接点での激しさなど)自分たちの通用する部分が増えたというのが明大の印象。ブレイクダウン(接点)で、全員が身体を当てられるようになってきた。帝京大は取りきるところで取る集中力があった。全員が同じ矢印で、同じ方向を見ているな、と。自分たちのコントロールできないことにストレスをためず、自分たちのやってきたことにフォーカスしようと話していた。(レフリングに助けられた点があったとしたら)まだまだ、それがウチの実力だということ」

 なお、この日は帝京大のFB重一生が怪我から復帰して3トライ。密集の脇、左タッチライン際などでパスをもらい、持ち前の体幹の強さを示した。後半30分には、大きく突破を図る明大のLO小林航の走路を先回りし、刺さる。そのままボールに手をかけ、やはりノット・リリース・ザ・ボールを誘発した。「今日の試合ではコーチ陣、またスタッフ陣の信頼を築けるようなプレーをしたいと思いました」と殊勝に語っていた。

(文:向風見也)

ホセア・サウマキ8トライ! 大東大が青学大から20トライ、130得点。

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大東大は各局面で圧倒した。


 なんと20トライ!
  6月14日、大東大グラウンドでおこなわれた関東大学春季大会Bグループ・大東大×青学大戦で、大東大が130-19と大勝した。

 大東大はWTBホセア・サウマキが8トライ、SH小山大輝が4トライと高い攻撃力が爆発。計20トライを挙げた。ゴールキッカーを務めたCTBアピサイ拓海も好調で、15コンバージョンを決めた。

グリーンの風、吹く。専修大、関東大学春季大会Cグループ全勝V。

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しつこい防御と運動量をチームの土台にする専修大学。(撮影/松本かおり)


 多くのOBたちの顔がホーム、伊勢原グラウンドにあった。
 期待の目が集まる中、7点リード(19-12)で迎えた後半31分にはPGを狙う。勝ちにこだわった。試合終了の少し前、SO工藤朗仁がDGを決めたときには沸いた。
 6月14日、専修大学が日本大学を25-12で破り、関東大学春季大会Cグループで今季5勝目。全日程を終えて全勝とし、同グループ優勝を決めた。

 昨季の関東大学リーグ戦1部/2部入替戦で勝利し、13季ぶりの1部復帰を果たした専大。村田亙監督は、「入替戦勝利の3日後からウエートトレーニングに取り組み、(1部校相手に戦えるだけの肉体を作り上げるための)フィジカルアップを図ってきました。その成果が見えてきた」と話した。
 監督就任4年目。最初の2年間は体作りと防御だけに絞り込んで土台を確かにした。3年目の昨季は「専修革命」を選手たちに呼びかける。同監督がかつて仏・バイヨンヌでプレーしていたこともあり、ボールをワイドに動かすフレンチスタイルに取り組んだ。攻撃力を上昇させた。
「今季はさらに変化をつけて、シェイプとポッドを使い分けるラグビーに取り組んでいます」
 相手が関東大学対抗戦Aの下位チーム(vs立大/67-26、vs日体大/30-5)、B上位チーム(vs明学大/71-0)、関東大学リーグ戦1部の下位(vs拓大/31-24)、2部上位チーム(vs日大/25-12)とはいえ、今回の優勝はチームが着実に進歩していることを証明した。

 この日の試合は、細かな部分よりチームの芯としている部分で勝った。
 前半5分、カウンター攻撃から敵陣に攻め入った後、しばらくしてPK機を得る。ラインアウト後のモールを結束よく押し込み、先制トライを奪った。その後は、積極的に前に出る日大の圧力を受ける場面もあり、連続支配からCTB内山泰伸に2トライを奪われたが、慌てることはなかった。乱れなかった。前半は5-12で終えるも、後半に培ってきたフィットネスと防御が光った。

 集中力高く入った後半。専大はテンポのいい攻撃で反則を誘うと、PK→ラインアウト→モールでトライ。コンバージョンも決まり、12-12と追いついた(5分)。そして安定感のあるSH古川浩太郎がチームのリズムを作り続け、流れを自分たちの方へたぐり寄せていった。
 逆転トライもそんな時間帯に訪れた。しつこい防御を繰り返して迎えた後半23分。相手のキックからカウンターアタックを仕掛ける。攻撃力の高いバックスリーがランとパスで前に出る。最後はショートパントで防御裏を攻略し、勝ち越しのトライを奪った(コンバージョンも決まり19-12)。

 PR小俣勇也主将は「今季戦う相手は1部。やるべきことは、まだまだたくさんある」と勝利にも気を引き締めた。
「今日の試合でも4年生は先発に2人、リザーブに2人だけ。2年生が(23人中)10人という若いメンバーで、いい意味で上下関係がないチームなんです。みんな積極的で、勢いを生んでくれています。今シーズンは早い時期から(春季大会のC)グループ優勝を目指して取り組み、その目標を達成できた。結果が残って嬉しいですね」
 同主将は山梨・吉田高校出身。入学前に「専大なら(練習に)ついていけるんじゃないか」とアドバイスをもらい、進学を希望したが、入学してみたら予想していた世界と「まったく違った」と笑う。
「村田さんが監督に就任した年に入学でした。朝練も始まり、私生活の規律もきちんとするようになった。大東(毅)コーチの厳しい指導もあります。そういうものを積み重ねてきました」

 毎週火曜日は全員で午前5時半からトレーニング。他の日もそれぞれが個々のスケジュールに合わせて早朝から動く。そして全員で朝食を採り、授業へ。ハードワークが当たり前になって、長く続いた専大の沈黙の時代が終わった。
 主将は言う。
「1部に昇格して最初の年。絶対に落ちたくない。若い選手が多いので、チームがもっと上を目指せる土台を築くためにも、いい準備をしたいですね」
 今回の優勝は、秋の飛躍を約束するものではないだろう。ただ、昨季から続く上昇の勢いを高め、新たな自信を付け足すことにはなる。
 過酷な夏を笑って迎えられることも大きい。


USA! アメリカが男女そろってリオ五輪出場権獲得!

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セブンズ男子アメリカ代表のペリー・ベイカー
(写真はワールドシリーズより/Photo: World Rugby Martin Seras Lima)


 来年のリオデジャネイロオリンピック出場をかけた7人制ラグビー(セブンズ)の北米・カリブ海地域予選が、現地時間13日から2日間にわたってアメリカのノースカロライナ州ケーリーでおこなわれ、地元サポーターの声援に応えたアメリカ代表が男女そろって優勝し、リオ行きの切符を獲得した。

 男子予選は9チームが参加。大方の予想通り、ワールドシリーズのコアチームであるアメリカ(2014-2015ワールドシリーズ6位)とカナダ(同9位)が決勝に進み、21-5でアメリカが頂点に立った。
 序盤こそカナダの速いプレッシャーに手こずっていたアメリカだが、4分、スピードスターのペリー・ベイカーがディフェンダーを振り切って先制。その約2分後には、自陣深くのブレイクダウンでターンオーバーしてから2トライ目を挙げた。キーマンのベイカーが負傷退場するアクシデントがあったものの、1か月前のワールドシリーズ・ロンドン大会優勝で自信をつけたアメリカは、8分にもゴールラインを割り、前半だけで21-0と大きくリードした。守りも堅く、カナダの反撃を後半の1トライに抑え、オリンピック金メダルへ、まずは第一関門を突破した。

 女子は、ワールドシリーズで五輪出場権を獲得したカナダを除く8チームで予選がおこなわれ、同シリーズで5位だったアメリカが圧倒的強さでリオ行きを決めた。メキシコとの決勝は、88-0の大勝だった。

 男子の2位カナダと、3位メキシコ、女子の2位メキシコと3位トリニダード・トバゴは、世界最終予選に回る。

 リオ五輪のセブンズ枠は、男女とも12チームずつ。開催国ブラジルのほかに、昨季セブンズワールドシリーズで総合成績が4位以上だった国(男子:フィジー、南アフリカ、ニュージーランド、英国/女子:ニュージーランド、カナダ、オーストラリア、英国)、南米予選1位のアルゼンチン(男子)とコロンビア(女子)も出場を決めている。

 アジア予選は今年11月におこなわれる。


【北米・カリブ海地域予選/男子結果】
1位:アメリカ
2位:カナダ
3位:メキシコ
4位:ケイマン諸島
5位:ガイアナ
6位:ジャマイカ
7位:バルバドス
8位:バハマ
9位:トリニダード・トバゴ

【北米・カリブ海地域予選/女子結果】
1位:アメリカ
2位:メキシコ
3位:トリニダード・トバゴ
4位:ジャマイカ
5位:ケイマン諸島
6位:ガイアナ
7位:バハマ
8位:バルバドス

【ラグリパWest】レギュラー5人が教育実習で不在も天理大、近大下す。

【ラグリパWest】兵庫県フェニックスラグビー祭 往年の名選手もハッスル

U20日本代表がサモア撃破! 最高峰チャンピオンシップに残留決定!!

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U20サモア代表戦で、インゴールに飛び込むU20日本代表のFB野口竜司
(Photo: World Rugby, Roberto Bregani/Fotosportit)


 イタリアで開催されている「ワールドラグビー U20チャンピオンシップ 2015」は、大会4日目の6月15日(現地時間)からノックアウトステージの戦いに突入し、9~12位決定トーナメントの初戦に臨んだU20日本代表は、29-12でU20サモア代表を下した。中竹竜二ヘッドコーチ率いるヤングジャパンチームはこれで最下位を免れ、最高峰グループのチャンピオンシップに残留することが決まった。

 約1か月前にU20オセアニア選手権で惜敗した相手に、リベンジを果たした。積極的に攻め、ラインアウトからのモールドライブで先制した日本。前半35分頃にはFB野口竜司が突破して2トライ目を挙げ、12-0で折り返した。サモアにプレッシャーをかけ続け主導権を握り、後半早々にはFL占部航典もファイブポインターとなってリードを拡大。イングランドやフランス相手にも通用したスクラムや、モールでも強さを発揮し、ペナルティトライも獲得して勝負を決めた。

 ジュニアの最高峰大会で初のトップ10入りが確定した日本は、20日(最終日)の9・10位決定戦でアルゼンチンと対戦する。

 優勝争いの方は、4年ぶり5回目の世界一をめざすU20ニュージーランド代表と、3連覇を狙うU20イングランド代表が決勝進出。ニュージーランドはフランスとの準決勝を45-7で制し、イングランドは南アフリカを28-20で下して頂上決戦に駒を進めた。


<順位決定トーナメント 結果/6月15日>

▼準決勝(1~4位)
・ニュージーランド 45-7 フランス
・イングランド 28-20 南アフリカ

▼5~8位決定トーナメント 1回戦
・オーストラリア 31-21 スコットランド
・ウェールズ 22-12 アイルランド

▼9~12位決定トーナメント 1回戦
・アルゼンチン 46-5 イタリア
・日本 29-12 サモア


<最終順位決定戦 組み合わせ/6月20日>

▼決勝
・ニュージーランド vs. イングランド
▼3・4位決定戦
・フランス vs. 南アフリカ
▼5・6位決定戦
・オーストラリア vs. ウェールズ
▼7・8位決定戦
・スコットランド vs. アイルランド
▼9・10位決定戦
・日本 vs. アルゼンチン
▼11・12位決定戦
・イタリア vs. サモア


医師。キャプテン。ラグビーマン。川原尚行さん、新宿で語る。

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スーダンから持参したレンガを片手に「オーッ」。(撮影/松本かおり)


 スーダンから持って来たレンガを右手に持って話した。
「ただ土を焼いて作った、なんてことのないレンガです。でも、これを一つひとつ積み上げれば病院にもなる。みんなの力を合わせていけば、そんなこともできると思っています。周囲に緑のある場所に病院を建てられれば。そんな夢があります」
 アフリカで暮らす医師が、新宿の真ん中で夢を語った。講演会の最後には、レンガを持つ手を突き上げ、舞台の中央で叫んだ。
「みんなで大声を出しましょう。せーのー。頑張るぞ、オーッ」
 6月15日、新宿にある紀伊國屋サザンシアターで、情熱家であり医師で、ラグビーマンの川原尚行さんの講演会が催された。これは、同氏が『行くぞ! ロシナンテス』(山川出版社)を上梓した記念におこなわれたもの。テーマは『「イスラムの国スーダンで「医」を想う。病院建設への長き道程』。川原さんがやってきたこと、これからやりたいこと、スーダンの現状が伝えられた。

 川原さんは認定NPO法人/国際NGOロシナンテス(以下ロシナンテス)の理事長を務めている。
 長く続いた内戦の影響もあり、国民の多くが貧困に苦しむスーダン。多くの困難を抱える同国で、特に深刻な医療問題を解決するため、医療活動、学校・教育事業、水・衛生事業、スポーツ事業に取り組んでいるのがロシナンテスだ。無医村に診療所を立ち上げるだけでなく、現地のスタッフたちで自立していけるようにサポートもする。今回の講演会でも、「そこにいる人たちと一緒になって作り込んでいくことが大切」と言葉に力を込めた。

 東日本大震災後は、東北に根を張って活動も続けている。お年寄りとともに農作業をおこない、その活動を通して健康を維持する『健康農業』や、被災地の子どもたちの学習をサポートする復興事業も。震災直後に被災地へ向かい、悲しみにくれる人たちの診療にあたったときの話も紹介した。
「不安な方たちの体に手を当てると安心されるんですね。そのときに、『ああ、これこそ手当だな』と感じました」
 足を運び、触れ合い、感じ取って行動を起こす。多くの人が頭では分かっていても、なかなかできない。それを実践している人の力には迫力があった。

 小説「ドン・キホーテ」に出てくる痩せ馬、ロシナンテから名付けた集団の先頭に立っている。一人ひとりが痩せた馬のように無力かもしれないけれど、それでも集まれば、力をひとつにすれば何かができる。そんなスピリットで活動したら、いろんなことが実現した。自分の人生はそうだったと、講演会では様々なシーンを振り返りながら話した。

 小倉高校、九州大学医学部で学び、楕円球を追った若き頃。大学院卒業後に外務省に入った。タンザニアへの医務官(外務省)派遣に応募し、現地へ。在留邦人に医療活動を行う勤務の合間に地元の人たちと触れ合っていたら惹きつけられた。
 交流が始まる。現地の村を訪ねたとき、喉が渇いただろうと、彼らが普段飲んでいる濁った水を差し出された時のエピソードも話した。
「表情が曇ったら、こちらの動揺が伝わってしまいます。嫌な気持ちになるでしょう。だからグーッと飲み干してニコッと笑った。そうしたら、喉が渇いていたのか、もう一杯どうだ、と。そうやって仲良くなっていきました」
 付き合いか深くなると、自分たちの経験から得た知恵、築いてきた文化を大切に生きる彼らの生き方がうらやましくなった。
「人間の本当の豊かさってなんだろう、と。アフリカの人たちと触れ合って、考え、気づくこともたくさんありました」

 タンザニア滞在後、現地の風土病などへの対応をロンドンで1年学び、スーダン勤務となった。それが転機になった。
 内戦を理由にODA(途上国援助)も止められていた同国に暮らしているうちに、いてもたってもいられなくなった。間違ったこと(内戦)をやっているからとか、テロ支援国と見られているといって、まともな医療を受けられない人たちを放っておいていいはずがない。自分の中でもやもやが広がった。でも国と国の関係になれば思い通りに動けない。だから組織(外務省)を飛び出した。ひとりの医者に戻って何ができるかを考え、動き始めたのが2005年。それから走り続け、現在に至る。
 覚悟を決めて動き出したとき、思いを知った高校時代のラグビー部のメンバーたちが同志として活動してくれることになった。10代のキャプテンは、仲間たちの生涯のキャプテンに。また、かつての仲間だけでなく、活動を知って力を貸してくれる人々の輪はどんどん広がっている。そこに国境や垣根はない。それが嬉しい。

 地道な活動を積み重ね続けて10年。以前の川原さんは、ロシナンテスの活動のことをこう話し、多くの人に分かりやすく伝えていた。
「ハチドリのひとしずく。この話を知っていますか? 森が火事になりました。動物たちは逃げ出しました。そんなとき、一羽のはちどりが森に向かい、一滴ずつ水を運びました。動物たちは、そんなことして何になるんだと笑います。ハチドリは『私は、私にできることをしている』だけと答えました。僕にも、みなさんにも、それぞれできることがある」
 歳月が経ち、ハチドリは自分ひとりじゃなくなって、スーダーンだけでなく、東北も森になった。川原さんの存在を知って、もっとハチドリが増え、あちこちの森も青々とすればいい。
 それがキャプテンの願いだ。

関東大学対抗戦Aは9月6日の早大×立大で開幕 リーグ戦1部は同13日から

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 関東ラグビーフットボール協会は16日、今年度の関東大学対抗戦Aと関東大学リーグ戦1部の試合日程を発表した。
 対抗戦Aは、9月6日に早稲田大×立教大戦(東京・秩父宮ラグビー場)で開幕。昨年度王者で、全国大学選手権6連覇中の帝京大は、9月22日の青山学院大戦(秩父宮)が第1戦となる。
 リーグ戦1部は9月13日にキックオフで、昨季1位の流通経済大は茨城・龍ケ崎市たつのこフィールドで拓殖大と対戦する。

 全日程は関東ラグビー協会の公式サイトでご確認ください。

ワールドラグビーU20チャンピオンシップ 来年はイングランド開催

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今年の大会でファイナル進出を決め、3連覇に王手をかけたU20イングランド代表
(Photo: World Rugby, Roberto Bregani/Fotosportit)


 ワールドラグビー(国際統括団体)は16日、20歳以下代表が世界一を争う「ワールドラグビー U20チャンピオンシップ」を、来年はイングランドで開催すると発表した。
 2016年6月に、セール・シャークスのホームであるAJベル・スタジアムと、マンチェスターシティ・アカデミー・スタジアムでおこなわれる。

 今年のU20チャンピオンシップは現在、イタリアで開催中で、U20日本代表は9~12位決定トーナメントの1回戦でサモアを下し、世界の上位12か国・地域が集うこのジュニア最高峰大会に残留を決めたばかり。初のトップ10入りを果たしたU20日本代表も、来年のイングランド大会に参加する。

欧州王者トゥーロン豪華補強。アイルランド代表主将、ストーマーズ主将も獲得

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シックスネーションズの栄冠を掲げるアイルランド代表のポール・オコンネル主将
(Photo: Getty Images)


 アイルランド代表主将で、マンスターの看板選手でもあったベテランLOのポール・オコンネル(35歳)が、フランスのトゥーロンに移籍することが明らかになった。15日、英国の『BBC』など海外メディアが相次いで報じており、2年契約(1年はオプション)を結んだという。

 約15年間、マンスター一筋だったオコンネル。同チームでは欧州タイトルを2回手にし、ケルティックリーグ(現プロ12)では3回優勝を遂げた。アイルランド代表としては100キャップに到達し、欧州6か国対抗戦では2009年のグランドスラム(全勝優勝)と、2014、2015年の連覇を達成している。今年のワールドカップを最後にナショナルチームから退くことを表明しており、競技者人生の最終章は新天地フランスで情熱を燃やす。

 最も資金力豊富なラグビークラブのひとつといわれているトゥーロンは、世界中からスター選手を集め、2014-2015シーズンのヨーロピアン・チャンピオンズカップを制して史上初の欧州3連覇を達成した。
 来季に向けてオコンネルのほかに、オールブラックス(ハリケーンズ)のCTBマア・ノヌーも獲得しており、今年のスーパーラグビーで南アフリカ・カンファレンスを制したストーマーズの主将(南ア代表)、NO8/FLデュアン・フェルミューレンとの3年契約も発表した。さらに、今年シャークスの一員としてスーパーラグビーに挑戦した元イングランド代表のPRマット・スティーヴンスも欧州王者の新戦力となる。
 一方、4月にトゥーロン移籍が報じられたオーストラリア代表のSOクウエィド・クーパーは、まだ去就を悩んでいるようで、国内のレッズに残留するのではないかという声が高まってきている。

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フェルミューレンは昨年のワールドラグビー年間最優秀選手賞候補にノミネートされたひとり
(Photo: Getty Images)

イタリア代表選手が協会と対立、ストへ… W杯に向けたキャンプ中断

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イタリア代表のプライド。結束してワールドカップに臨みたい(Photo: Getty Images)


 ラグビーワールドカップ開幕まであと約3か月だが、初の8強入りをめざすイタリア代表が揺れている。協会と選手が報酬をめぐって対立し、日曜日に始まったばかりのトレーニングキャンプが中断を余儀なくされた。

 英国メディアの『ザ・テレグラフ』などが報じた協会の声明によると、候補選手として招集された40人は、ワールドカップに関するボーナスの支払いについて納得いかず、ストライキを起こした。“経済合意”に達するまでは、イタリア北部のヴィッラバッサでおこなわれる3週間のトレーニングには参加せず、公式スポンサーのキット着用も拒否するという。選手側は、「話し合いに応じず、帰宅させようとしているのは協会の方だ。すべての選手はトレーニングキャンプのために集まっており、全員、残る」と主張している。

 対立の原因となっているワールドカップの報酬。選手側が1試合ごとのボーナスを要求しているのに対し、協会は大会全体を通してのパフォーマンスに応じた1回限りのボーナス支払いを考えており、両者はにらみ合ったままだ。

 準備の遅れと不協和音が懸念されるイタリア代表。9月18日に開幕するワールドカップでは、フランス、アイルランド、カナダ、ルーマニアと一緒のプールDで戦う。

スーパーラグビープレーオフ 田中とリーチはベンチスタート

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怪我から復活したハイランダーズのCTBフェキトア(撮影:Yasu Takahashi)


 南半球で熱戦が繰り広げられてきたスーパーラグビーは、今週末から、負けたら終わりのファイナルシリーズに突入する。プレーオフ1回戦の組み合わせは、南アフリカ地区1位(リーグ総合3位)のストーマーズ×ブランビーズ(同6位)、ハイランダーズ(同4位)×チーフス(同5位)。レギュラーシーズン総合1位(ニュージーランド地区1位)のハリケーンズと、2位通過(オーストラリア地区1位)の前王者ワラターズは、準決勝からの参戦となる。

 ハイランダーズとチーフスにはそれぞれ日本代表選手が所属しており、20日にダニーデン(フォーサイスバー・スタジアム)でおこなわれるこのニュージーランド勢対決は、日本のラグビーファンも注目の一戦だ。
 両チームは18日、試合登録メンバーを発表。ハイランダーズのSH田中史朗と、チーフスのFL/NO8リーチ マイケルは、ともにベンチスタートとなることが明らかになった。

 ハイランダーズは、股関節周辺部を痛めていたオールブラックスのCTBマラカイ・フェキトアが回復して先発出場。肩の負傷で1か月近く戦列を離れていた主将のNO8ナッシー・マヌーもプレーオフに間に合った。ニュージーランド代表の中心選手でもあるSHアーロン・スミスとFBベン・スミス、トライランキング2位タイのWTBワイサケ・ナホロも鍵を握る。3年目の田中は、今季出場した14試合のほとんどでスーパーサブとして安定感あるプレーを続けてきた。ノックアウトステージの緊迫したゲーム終盤でも、堂々と力を発揮するはずだ。

 一方、チーフスのリーチは、スーパーラグビーデビューイヤーながら8番を任されることが多く、リーグ戦16試合中12試合に先発出場してきた。そして、チームのルーキー・オブ・ザイヤー賞を受賞。プレーオフ1回戦は、LOを兼任するマイク・フィッツジェラルドにバックローのポジションを奪われたが、ハードワーカーのリーチをベンチに置けるほど戦力が充実している証拠だ。
 チーフスのミッドフィールドは、ソニービル・ウィリアムズがいとこのティム・ナナイウィリアムズとコンビを組む。マオリ・オールブラックス主将でもあるCTBチャーリー・ナタイは脳震とうのためこの試合のメンバーから外れた。また、FBトム・マーシャルはひざの故障で欠場するため、20歳のダミアン・マッケンジーがSOからFBに回り、ユーティリティBKのアンドリュー・ホーレルが10番を着る。

 敵地ケープタウンに乗り込んでストーマーズに挑むブランビーズは、先週のクルセイダーズ戦と同じメンバー。その試合で頭を打ち、脳震とうが心配されたFLデイヴィッド・ポーコックも先発出場する。彼が後方からドライブするモールの強さがこのチームの武器。足首の故障から復活したばかりのオーストラリア代表SO/CTBマット・トゥームアは、ストーマーズ戦もベンチで待機する。

 初優勝をめざすストーマーズは、主将のNO8デュアン・フェルミューレンが首の負傷で欠場となり、昨年南ア代表デビューしたハードタックラーのニザム・カーが8番をつける。キャプテン不在のなか、ブランビーズFLポーコックとの激しいブレイクダウンが予想されるが、そのボール争奪でストーマーズファンの期待を背負うのは、FLのシヤ・コリシとスカルク・バーガーだ。また、トライ数が少ないストーマーズにおいて、SOデメトリ・カトラキリスの安定したゴールキックは勝利への絶対条件となる。

ブルーズのカーワンHC辞任 来季指揮官はウマンガか

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ジョン・カーワン氏(Photo: Getty Images)


 スーパーラグビーのブルーズ(ニュージーランド)で3年間指揮を執ってきたジョン・カーワン氏(50歳)が、成績不振の責任をとり、19日に辞任を発表した。
 優勝3回の戦績を持つブルーズだが、カーワン体制1年目の2013年は6勝10敗で10位。2年目は7勝したものの同じく10位(NZカンファレンス最下位)で、今シーズンはチーム史上ワーストの3勝13敗(総合14位/NZカンファレンス最下位)という結果に終わっていた。

「このクラブにとって最善なのは、私が辞めることだ」と今朝の会見で語ったカーワン氏。ブルーズで別の役職に就く予定はなく、今後は家族との時間を大切にしたいという。

 世界のラグビー史に残る伝説的ウィンガーだったカーワン氏は、1987年の第1回ラグビーワールドカップで最多トライゲッターとなり、オールブラックスの優勝に貢献。選手生活の晩年は日本で過ごし、NECでのプレーを最後に1999年に引退した。
 その後、指導者の道を歩み、イタリア代表ヘッドコーチを務めたあと、2007年1月に日本代表ヘッドコーチに就任。しかしワールドカップ2大会で1勝もできず(2分6敗)、2011年12月末をもって退任した。日本代表指揮官としての5年間の成績は31勝2分22敗だった。

 ブルーズの新ヘッドコーチには、元オールブラックス主将で、現在はU20ニュージーランド代表のアシスタントコーチをしているタナ・ウマンガ氏(カウンティーズ・マヌカウHC)の就任が有力視されている。


南ア代表NO8スピースが仏モンペリエ加入! W杯後は短期間日本でプレーへ

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ピエール・スピース(Photo: Getty Images)


 南アフリカ代表(スプリングボックス)で53キャップを持ち、スーパーラグビーではブルズの中心選手として3回の優勝に貢献したNO8ピエール・スピース(30歳)が、フランスのモンペリエと来季契約を結んだことが明らかになった。19日、『ミディオランピック』など複数の海外メディアが報じた。
 南ア代表ヘッドコーチとして2007年ワールドカップで優勝を遂げたジェイク・ホワイトがモンペリエの現指揮官ということもあり、シャークスの人気選手だったデュプレッシー兄弟(PRヤニー、HOビスマルク)や、ストーマーズのSOデメトリ・カトラキリスなども含め、これで9人の南ア出身選手が同チームの来季新戦力となる。

 ブルズは今季スーパーラグビーの最終戦前に、スピース主将を含む7選手の退団を認めていた。「ブルズは私と来季契約を結ぶつもりはないと言った」とミディオランピック紙に語ったスピース。「ちょうどその頃、ジェイク・ホワイトから電話をもらった。スプリングボックスで彼と出会い、彼が世界最高のリーダーであることは知っている。私はすぐに『イエス』と返事したよ」

 上腕二頭筋の負傷で約1年半苦しみ、2013年6月のテストマッチ以来、スプリングボックスではプレーしていないが、9月18日開幕のラグビーワールドカップ出場をめざしている。
 そしてワールドカップ後は、モンペリエに加わる2月頃までの約3か月間、日本でプレーすると見られている。

ハイランダーズが13年ぶり準決勝進出! リーチ奮闘するもチーフス敗退

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Aaron

歓喜のハイランダーズSHアーロン・スミス(Photo: Getty Images)


 ニュージーランドのダニーデン(フォーサイスバー・スタジアム)で20日、スーパーラグビーのプレーオフ1回戦がおこなわれ、レギュラーシーズンを4位で通過したホームチームのハイランダーズが同5位のチーフスを24-14で下し、準決勝進出を決めた。

 チーフスの今季新人賞に輝いた日本代表主将(東芝)のリーチ マイケルは、前半途中から出場し、スーパーラグビーのプレーオフでプレーした初めての日本人選手となった。ハイランダーズ3年目のSH田中史朗(日本代表/パナソニック)はベンチ入りしたものの、出番はなかった。

 試合は、3-3で迎えた前半23分、ハイランダーズが自陣でのスクラムから得点する。ランで仕掛けたSHアーロン・スミスがWTBワイサケ・ナホロと2人でつないで右サイドを攻め上がり、最後はナホロがフィニッシュしてリードを奪った。

 一方のチーフスは28分、PGで2点差にすると、LOマット・スモンズに代わって早くもリーチを投入。NO8のポジションに入ったリーチは、何度も力強いボールキャリーでチームを活気づけ、無尽蔵のスタミナでフィールド中を動き回り、接点でも激しくファイトした。

 チーフスは前半終了前に3本目のPG決め、8-9、アウェイチームが1点リードで前半を折り返した。

 しかしハイランダーズは後半早々、WTBナホロの中央突破で流れを引き戻した。そして42分(後半2分)、ゴール前でスクラムのチャンスとなる。ボールを受けたSHスミスがショートサイドに切り込んだあと、WTBナホロにつないで逆転トライ。リーチが必死に止めようとしたが、オールブラックス入りが有力視されるフィジー出身の14番が振り切った。ゴール成功で15-9となる。

 その後、ハイランダーズがPGを決め、9点差。

 2年ぶり3回目の優勝をめざしたチーフスは食らいつき、59分にLOブロディー・レタリックがインゴールに突っ込んで18-14としたが、ハイランダーズは再びPGで差を広げ、7点差でラスト10分間の戦いに突入した。

 同点に追いつきたいチーフスは何度か敵陣22メートルラインに迫ったが、ハイランダーズのディフェンスは堅かった。そして試合終了前、ハイランダーズのFWがブレイクダウンでPGチャンスをもぎとり、SOリマ・ソポアンガがきっちり決め、熱闘に決着がついた。

 過去一度もタイトルを手にしたことがないハイランダーズは、13年ぶりの準決勝進出となる。

 ハイランダーズSH田中史朗の戦いは続くが、チーフスFWリーチ マイケルの今シーズンは終了。リーチは3月14日のストーマーズ戦でスーパーラグビーデビューを果たして以来、ほとんどの試合で8番を任され、計13試合(プレーオフの途中出場以外はすべて先発)で奮闘した。

春の「早明」へ 明大、忽那&松尾の新人司令塔候補が揃ってベンチ入り

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meiji

明治大ルーキーのSO忽那鐘太(撮影:松本かおり)


 関東大学対抗戦Aで昨季3位だった明大は、21日、岩手・盛岡南公園球技場で同2位の早大とぶつかる。対抗戦と同リーグ戦のチームが交流する関東大学春季大会で、上位各3校同士によるAグループの最終戦。12月に伝統の直接対決である「早明戦」をおこなうチーム同士の対戦では、新人司令塔候補が2人、ベンチ入りしている。

「1年生はよく頑張っている。使いたい選手も多い」

 就任3年目の丹羽政彦監督は言葉どおり、リザーブに5名のルーキーを登録した。もっとも今回は、全員が前日に1年生同士の早大戦(東京・明大八幡山グラウンド)に先発。普段から主力格のAチームでプレーする選手は複数いる。

 今回は「23」をつけるSO松尾将太郎は昨季、東福岡高の司令塔として高校ラグビー界の全タイトルを総なめした。身長170センチ、体重80キロと小柄だが、鋭い仕掛けとロングパスを長所に大学でも存在感を発揮。一時はメンバー落ちしたが、今回はリザーブに復帰。指揮官によれば、「メイジはエリアを取りたい。(伝統的に「重戦車」と謳われる)FWを前に出してナンボなので。そのうえで(SO松尾は)キックが…。でも、課題のプレー(キック)をよく練習している」とのことである。CTBとして出場する可能性もありそうだ。

 一方、SO松尾の課題であるキックをむしろ持ち味とするのが、背番号「22」をつけるSO忽那鐘太だ。身長178センチ、体重85キロ。島根・石見智翠館高から「早明戦に憧れがあった」と明大の門を叩き、積極的な守備とキックの飛距離をアピールしてきた。14日、静岡・草薙総合運動場での帝京大戦(●14-47)では背番号「10」をつけて先発した。

 帝京大戦では、相手のSO松田力也に感銘を受けた。「蹴るところは蹴って、FWを前に出していた。ゲインラインを切った後は、速く次のアタックを準備していた」。有力な同級生らとの定位置争いの渦中、SO忽那は「Aチーム(主力)のゲームに出て経験を積んで、1つひとつ課題をクリアしていきたい」と意気込んでいる。
(文:向風見也)

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同じく明大新戦力の松尾将太郎も1年目から活躍が期待される(撮影:松本かおり)

U20日本代表 最後はアルゼンチンに敗れるも過去最高の世界大会10位

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ozaki

U20アルゼンチン代表FBにタックルするU20日本代表WTB尾崎晟也
(Photo: World Rugby, Roberto Bregani/Fotosportit)


 イタリアで開催されてきた「ワールドラグビー U20チャンピオンシップ 2015」は、大会最終日の6月20日に順位決定戦がおこなわれ、ヴィアダーナでの9・10位決定戦に臨んだU20日本代表は21-38でU20アルゼンチン代表に敗れた。

「負けはしたが、選手たちの頑張りに敬意を表したい」(中竹竜二ヘッドコーチ)

 日本は序盤から、今大会で自信を増したスクラムの強さを発揮。前半5分、ゴール前でPKを得ると、タップ&ゴーの速攻でNO8テビタ・タタフ(東海大1年)がラインを越えてボールをねじこみ、先制した。26分に逆転されたものの、33分、FB野口竜司(東海大2年)のラインブレイクがきっかけとなってWTB矢富洋則(帝京大2年)のトライが生まれ、再びリードした。
 前半終了前にアルゼンチンに3本目のトライを奪われ、14-17で後半を迎えた日本だったが、51分(後半11分)、NO8タタフが再びゴールに持ち込み、ゲームをひっくり返した。
 今大会のプールステージで強豪ニュージーランドと接戦(29-32)を演じた南米の雄を相手に、大健闘の日本。しかし、58分、アルゼンチンはFWのパワープレーで21-24と逆転する。69分にもゴールラインを割られた日本は、のこり10分を切ったところでCTB梶村祐介がイエローカードをもらい14人となり、粘ったものの、終盤にもトライを奪われて惜敗となった。

「アルゼンチンにあと少しで勝てるところだったので、悔しく残念だが、やりきったとも感じている。FWの8人はスクラムに自信を持ち、アルゼンチンがどういうスクラムを組むかわからないなか、自分たちのスクラムを組むことができ、そこから(最初の)トライがとれて手応えを感じた。敵陣で戦っている時は自分たちの良いディフェンス、良いアタックができてトライを奪えたが、ふとしたミスやペナルティから自陣に攻め込まれて、トライをとられた。ミスしてはいけない場面でのミスがあった」(堀越康介キャプテン)

 U20日本代表の今大会の成績は1勝4敗に終わったが、9~12位トーナメントの初戦でサモアを29-12で下し、初のトップ10入りと同時に“チャンピオンシップ残留”という大きな目標を達成した。来年も世界上位12か国が集うこのジュニア最高峰大会で戦えることとなり、2019年ラグビーワールドカップ日本大会に向けて、若い世代の強化は確実に進むはずだ。

 中竹ヘッドコーチはこう語っている。
「アルゼンチンという強豪に対し、勝つチャンスが十分にあった試合にも関わらず落としてしまったというのは、もっと日本のラグビーのレベルを上げなければいけないという責任を感じた。スキルアップや強化を図るなかで良いプレーも多くあったので、それを来年以降、2019年、2023年のラグビーワールドカップにつなげていきたい」

スーパーラグビー ブランビーズも準決勝進出! 南ア勢は姿を消す

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Joe Tomane

3トライを挙げたブランビーズのWTBジョー・トマニ
(Photo: Getty Images)


 スーパーラグビー2015。準決勝の最後に枠に入ったのは、レギュラーシーズン6位通過のブランビーズ(オーストラリア)だった。南アフリカのケープタウンに乗り込み、現地時間20日にニューランズ・スタジアムで南ア・カンファレンス1位(総合3位)のストーマーズとプレーオフ1回戦を戦い、39-19で快勝した。
 11年ぶり3回目の優勝を狙うブランビーズは、3年連続の準決勝進出。
 一方、神戸製鋼コベルコスティーラーズの指揮官に就任するアリスター・クッツェー ヘッドコーチのラストイヤーに、悲願の初優勝をめざしたストーマーズだったが、主将のNO8デュアン・フェルミューレンが首を痛めて戦列に加われず、出場予定だったベテランFLスカルク・バーガーも股関節周辺部の怪我で欠場となり、悔しい幕切れとなった。

 ブランビーズは序盤から主導権を握った。3分、テンポよく攻めて敵陣深くに入り、SHニック・ホワイトがキックで相手の裏にボールを転がして、WTBジョー・トマニがインゴールで押さえた。
 14分にはハイパントをキャッチした相手選手にプレッシャーをかけて一気に乗り越え、左へ展開して背番号11がすり抜けた。勢いが止まらないトマニは25分、強烈なハンドオフからまたしても左サイドを破り、ハットトリックを達成。

 ストーマーズは、CTBダミアン・デアリエンディとWTBシアベロ・シナトラがキック&チェイスで襲いかかったが、ブランビーズの守りは堅く、なかなかトライを奪うことはできなかった。

 前半終了前には、ストーマーズが自陣深くでラインアウトを乱し、たたみかけたブランビーズが4トライ目。24-6で折り返した。

 ムードを変えたいストーマーズは44分(後半4分)、FBチェスリン・コルビが自陣でインターセプトして60メートルを走り切り、24-13とする。その後、PGで点差を詰めたストーマーズにサポーターの声援も大きくなったが、しかし、マイボールラインアウトを7本失敗という最悪の出来で、流れは勢いがつく前に途切れた。

 波に乗れなかった相手にとどめを刺すかのように、ブランビーズは62分と78分にもトライを重ね、結局、20点差がついて試合終了の笛が鳴った。

 一週間後の27日におこなわれる準決勝では、1位通過のハリケーンズ(ニュージーランド)にブランビーズが挑む。もう1試合は、プレーオフ1回戦でチーフスを破ったハイランダーズ(ニュージーランド/田中史朗所属)が、2位通過の前王者ワラターズ(オーストラリア)と激突する。

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