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ニュージーランドが4年ぶりにU20世界選手権優勝! 降格はサモア

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Haka

優勝後に“ハカ”を披露するU20ニュージーランド代表の選手たち
(Photo: World Rugby, Roberto Bregani/Fotosportit)


 ニュージーランドの20歳以下代表が、4年ぶりにジュニア最高峰大会の王座を奪還した。イタリアで開催されてきた「ワールドラグビー U20チャンピオンシップ 2015」は、大会最終日の6月20日にクレモーナで決勝戦がおこなわれ、U20ニュージーランド代表が3連覇をめざした前王者のU20イングランド代表を21-16で下し、優勝。ジュニアワールドチャンピオンシップ(旧大会名)から数え、2011年大会以来、5回目の栄冠獲得となった。

 先制トライを奪われたニュージーランドだったが、PGで3点を取り返したあとの前半25分、負傷した12番に代わって入ったばかりのヴィンス・タヴァエアソが22メートルライン外から力強く突破して右隅に飛び込み、2点差とした。36分にPGを決めて逆転し、11-10で折り返す。
 45分(後半5分)には、スーパーラグビーのブルーズでもプレーしたNO8アキラ・イオアネがパワフルにインゴールに突っ込み、リードを拡大。その後、イングランドはショットを2本決めて18-16と追い上げたものの、後半はニュージーランドの堅守を崩せず、結局、57分にもPGを追加したベイビーブラックスが逃げ切った。

 残留・降格がかかる11・12位決定戦は、開催国イタリアが20-19でサモアに逆転勝利している。
 U20イタリア代表は6点を追う73分、敵陣深くでのラインアウトからモールで押してペナルティトライを獲得し、コンバージョン成功で逆転した。のこり時間でU20サモア代表が猛攻に転じ、イタリアはゴールラインを背にしたが、必死に守った。そして、時計が80分になる数秒前、サモアはハーフウェイ付近ほぼ中央でPGチャンスを得たが、ショットは外れ、イタリアに歓喜の瞬間が訪れた。
 イタリアは最高峰グループの「ワールドラグビー U20チャンピオンシップ」に残留が決定。最下位のサモアは、下部大会の「ワールドラグビー U20トロフィー」に降格となる。そして、同大会で今年優勝したジョージア(グルジア)が来年はU20チャンピオンシップに昇格だ。


<ワールドラグビー U20チャンピオンシップ 2015 最終順位決定戦>
▼決勝
・ニュージーランド 21-16 イングランド

▼3・4位決定戦
・南アフリカ 31-18 フランス

▼5・6位決定戦
・オーストラリア 28-23 ウェールズ

▼7・8位決定戦
・アイルランド 17-9 スコットランド

▼9・10位決定戦
・アルゼンチン 38-21 日本

▼11・12位決定戦
・イタリア 20- 19 サモア

【関連記事】
U20日本代表 最後はアルゼンチンに敗れるも過去最高の世界大会10位

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降格を免れたU20イタリア代表(Photo: World Rugby, Massimiliano Pratelli/Fotosportit)


オールブラックス41名発表! ナホロ、ブロードハースト弟など初選出

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ワイサケ・ナホロ。フランスのクレルモンと2年契約を結んだが、NZ代表が熱視線。移籍話消滅か
(Photo: Getty Images)


 ニュージーランドラグビー協会は21日、来月8日のサモア戦と同17日に開幕するラグビーチャンピオンシップ(南半球4か国対抗戦)に臨む、オールブラックスのスコッド41名を発表した。約3か月後には連覇がかかるワールドカップを控えており、その最終メンバー(31名)入りをかけたサバイバル競争の始まりだ。

 スティーヴ・ハンセン ヘッドコーチとセレクターたちが選んだニューフェイスは5名。スーパーラグビーで13年ぶりの準決勝進出を決めたハイランダーズの司令塔であるリマ・ソポアンガと、チームメイトで最多11トライを挙げているWTBワイサケ・ナホロ、昨年秋にマオリ・オールブラックスとして来日したHOコーディー・テイラー(クルセイダーズ)とWTB/FBネヘ・ミルナースカッダー(ハリケーンズ)、そして、日本代表FWマイケル・ブロードハーストの弟であるLOジェームズ・ブロードハースト(ハリケーンズ)にビッグチャンスがめぐってきた。

 負傷でリハビリ中の5選手、SOアーロン・クルーデン、SHオーガスティン・プルー、HOネイサン・ハリス(以上、チーフス)、FL/NO8スティーヴン・ルアトゥア、LOパトリック・トゥイプロトゥ(以上、ブルーズ)は、今回の選考には考慮されなかった。

 スーパーラグビーのプレーオフに残っているハリケーンズとハイランダーズの選手以外は、今月24日からオークランド郊外で3日間のキャンプをおこない、7月1日に再集合する。


【HO】
・ケヴィン・メアラム (ブルーズ/オークランド/123 caps)
・デイン・コールズ (ハリケーンズ/ウェリントン/27 caps)
・ヒカ・エリオット (チーフス/ポバティベイ/3 caps)
・コーディー・テイラー (クルセイダーズ/カンタベリー/―)

【PR】
・トニー・ウッドコク (ブルーズ/ノースハーバー/110 caps)
・オーウェン・フランクス (クルセイダーズ/カンタベリー/67 caps)
・ベン・フランクス (ハリケーンズ/ホークスベイ/42 caps)
・ワイアット・クロケット (クルセイダーズ/カンタベリー/37 caps)
・チャーリー・ファウムイナ (ブルーズ/オークランド/27 caps)
・ジョー・ムーディー (クルセイダーズ/カンタベリー/8 caps)

【LO】
・サム・ホワイトロック (クルセイダーズ/カンタベリー/62 caps)
・ブロディー・レタリック (チーフス/ベイ・オブ・プレンティ/36 caps)
・ルーク・ロマノ (クルセイダーズ/カンタベリー/17 caps)
・ジェレミー・スラッシュ (ハリケーンズ/ウェリントン/11 caps)
・ジェームズ・ブロードハースト (ハリケーンズ/タラナキ/―)

【FL/NO8】
・リッチー・マコウ (主将/クルセイダーズ/カンタベリー/137 caps)
・キアラン・リード (クルセイダーズ/カンタベリー/72 caps)
・ジェローム・カイノ (ブルーズ/オークランド/56 caps)
・リーアム・メッサム (チーフス/ワイカト/40 caps)
・ヴィクター・ヴィト (ハリケーンズ/ウェリントン/26 caps)
・サム・ケイン (チーフス/ベイ・オブ・プレンティ/22 caps)
・マット・トッド (クルセイダーズ/カンタベリー/2 caps)

【SH】
・アーロン・スミス (ハイランダーズ/マナワツ/38 caps)
・タウェラ・カーバーロー (チーフス/ワイカト/15 caps)
・TJ・ペレナラ (ハリケーンズ/ウェリントン/11 caps)

【SO】
・ダン・カーター (クルセイダーズ/カンタベリー/102 caps)
・コリン・スレイド (クルセイダーズ/カンタベリー/17 caps)
・ボーデン・バレット (ハリケーンズ/タラナキ/28 caps)
・リマ・ソポアンガ (ハイランダーズ/サウスランド/―)

【CTB】
・マア・ノヌー (ハリケーンズ/ウェリントン/94 caps)
・コンラッド・スミス (ハリケーンズ/ウェリントン/85 caps)
・ソニービル・ウィリアムズ (チーフス/カウンティーズ・マヌカウ/23 caps)
・ライアン・クロッティ (クルセイダーズ/カンタベリー/13 caps)
・マラカイ・フェキトア (ハイランダーズ/オークランド/8 caps)

【WTB/FB】
・コーリー・ジェーン (ハリケーンズ/ウェリントン/55 caps)
・イズラエル・ダグ (クルセイダーズ/ホークスベイ/46 caps)
・ベン・スミス (ハイランダーズ/オタゴ/38 caps)
・ジュリアン・サヴェア (ハリケーンズ/ウェリントン/33 caps)
・チャールズ・ピウタウ (ブルーズ/オークランド/14 caps)
・ネヘ・ミルナースカッダー (ハリケーンズ/マナワツ/―)
・ワイサケ・ナホロ (ハイランダーズ/タラナキ/―)

JB

ジェームズ・ブロードハースト(Photo: Getty Images)

【U20チャンピオンシップ現地リポ】 やり切った日本の若者たちに称賛

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U20Japan_2015_Italy

「大会で最も成長した」(中竹HC)上で残留を成し遂げたU20日本代表には現地でも多くの称賛が
(撮影:出村謙知)


 勝者になっていておかしくないパフォーマンスだった。
 いや、土曜日の午前中から集まった熱心なファンからの称賛という意味では、勝負には敗れたものの、日本の若者たちこそ勝者とも言えた。
 イタリア北部ヴィアダーナで行われた「ワールドラグビー U20チャンピオンシップ 2015」9・10位決定戦。「ジュニアワールドチャンピオンシップ」名称だった2012年大会で4強入りし、今年もプール戦でニュージーランドに肉薄するなど世界トップクラスの実力を誇るアルゼンチンに「すべて出し切った」(HO堀越康介主将)ものの、21-38で敗れた。

 試合はいきなり、イタリアの中でもラグビーマッドな土地として知られるヴィアダーナの人々を驚嘆させる展開となった。
「まずは敵陣で試合をする」(中竹竜二ヘッドコーチ)というゲームプランどおりに、立ち上がりからアルゼンチン陣内で試合を進めた日本は、ディフェンスでしっかりプレッシャーをかけてチャンスを得る。5分に敵陣深くでPKを得た日本は、「本当にFW8人が自信を持っていた」(堀越主将)、というスクラムを選択。世界でも強力セットプレーで知られるアルゼンチンに押し勝つかたちで再び得たPKチャンスからNO8デビタ・タタフが突っ込み先制する。
 もちろん、ヴィアダーナのファンが惜しみない称賛を送ったのは、スクラムの強さに対してだけではない。
 プール戦で大敗続きの3連敗していた時点でWTB尾崎晟也副将が「継続するアタックというのをテーマにしているが、全然できていない」と語っていたことが信じられないような連続攻撃が炸裂したのは前半33分。ラインアウトからの1次攻撃でWTB矢富洋則が内側に入ってくるサインプレーの後、2次攻撃ではFB野口竜司のラインブレイクで大きくゲイン。
「回りを見ながら全体をコントロールできるようになった」というFL占部航典がフォローして相手ゴールに迫った後、再び内側のスペースに走り込んできた矢富が相手ディフェンダーを振り切って奪ったトライは、大会ベストトライのひとつに挙げられておかしくないものだった。

 後半11分にも敵陣深くのPKからFL占部が仕掛けてNO8タタフにつないで3トライ目。
 この時点で日本が21-17とリード。間違いなく、ヴィアダーナのファンは日本のアタッキングラグビーに酔いしれていた。
 あとは、終盤の時間帯をどうマネージメントして勝ち切るかだったが、後半18分以降にアルゼンチンが日本の「細かいミス」(中竹HC)に乗じて3トライを重ねたのに対して、日本は得点を奪えないまま80分間が終了した。

 残留を決めたサモア戦では最後の20分間を無失点で乗り切ったことも勝因のひとつとなった。
 ただし、今大会だけではなく、3月のフィジー、5月の豪州も含めて数々の厳しい試合を経験してきたU20代表だったが、勝利をものにできたのは、そのサモア戦だけ。
「事前にいろんな経験をさせてもらったが、勝つことだけは経験していない」
 イタリア出発前にそんな感触を語っていた中竹HCだが、まさしく「勝ち切る」部分での経験の有無が、勝敗を分ける要素になってしまったのかもしれない。
 もちろん、世界ひと桁台入りこそ逃したものの、「U20としてやり切った」(堀越主将)上で、残留を勝ち取った選手たちの頑張りには最大級の称賛が与えられるべきなのは言うまでもない。
(文:出村謙知)

春の関東中学校大会 國學院久我山中が初の連覇!

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優勝した國學院久我山中。昨年は全国大会準優勝。永友主将ら経験者は昨年のリベンジを狙う
(撮影:井田新輔)


 第66回関東中学校大会は最終日の21日、決勝、3位決定戦が埼玉・熊谷ラグビー場で行われ、國學院久我山中(東京)が21-19で茗溪学園中(茨城)を破り、連覇を成し遂げた。なお、この両校は、9月の「太陽生命カップ2015 第6回全国中学生大会」に関東代表として出場する。

 前半はお互いの粘り強いディフェンスで好機を活かせない。久我山中は12分、ゴール前での相手反則からFWが速攻を仕掛けて、前に出る。ゴールラインを割れないと見るとすかさず左へ展開。ブラインドからライン参加したWTB杉本大雅が先制トライを挙げる。一方、茗溪中は17分、ターンオーバーしたボールをしつこくつないで小林太亮がトライを返す。7-7と同点で20分ハーフの前半を終えた。

 後半も久我山中が先手を取る。CTB永友利玖の超ロングパスからWTB角谷光貴が大きくゲインしてゴール前に迫ると、素早い球出しからSO中楠一期が力強い前進から勝ち越しトライ。さらに6分にはPR工藤壮太がトライを奪って21-7とリードを広げた。

 ただ、茗溪中も伝統の一体となったラグビーでボールをつなぐ。13分には相手ペナルティから速攻を仕掛けて、ゴール前のラックからPR佐藤剛がトライを返して12-21。さらに16分にはWTB太田大地がインターセプトから中央にトライを挙げて19-21と2点差に迫った。

「追い上げてこられて焦りはありました。(茗溪は)レベル高いなと感じた」と終盤の攻防を話したのは久我山中SO中楠。それでも、最後は久我山中のディフェンスが勝利を呼び込んだ。通算5度目の優勝を手にした土屋謙太郎監督は、「キックの少ない、久我山と茗溪らしい試合だった」と笑いながらも、「昨年の遺産もあるけど、自分たちでコミュニケーションが取れるチーム。まだできないことも多いけど、できることを出して勝てました」と話した。

 惜敗の茗溪中・芥川俊英監督は「コンタクトの部分でやられました。うちらしい面も出せて(大会で)成長できたと思いますが、思うようにできなかった方が多い」と振り返った。

 大会終了後、表彰された大会優秀選手は以下の通り。

江下遼、高野光平、斎藤大地、中楠一期、永友利玖、岸本尚龍(國學院久我山中)、小林太亮、黒川心平、太田大地(茗溪学園中)、佐々木隼、西山周作(世田谷区千歳中)、松岡勇樹(慶應義塾普通部)

(取材:福田達)

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個々が前に出る能力の高かった國學院久我山中。得点力は高い(撮影:井田新輔)

「ワセダの狂気」を。早大LO桑野、昨季より5キロ増のサイズで王座狙う

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サイズアップした早稲田大のLO桑野詠真(写真中央/撮影:松本かおり)


 関東大学春季大会(関東大学対抗戦と同リーグ戦の交流リーグ)の試合会場で、ひときわ大きくなった身体で人々の注目を誘った選手がいる。早大のLO桑野詠真である。

 福岡・筑紫高出身。ルーキーイヤーからレギュラー争いに参加する身長191センチの3年生は、昨季のオフから増量を試みた。ウェイトトレーニングの回数を増やし、専門家の知恵を借りて食生活を見直した。前年度より5キロも重い「体重108キロ」となった。

「本当に大きくなろうとしていた時期は、捕食を増やしました。常に、何かを食べるイメージです」

 昨季までのLO桑野の姿を知るトップリーグ(国内最高峰リーグ)の関係者からは、「大きくなった。(採用関係者からの)人気は出るだろう」と感嘆の声があがった。もっとも春の本格始動後は、増量を制限していると本人は言う。チームには、昨年まで日本代表を指導していた村上貴弘S&C(ストレングス&コンディショニング)コーチが着任した。より試合で力を発揮するために、LO桑野は新たな方法論を吸収している。

「体重が増えた分、体脂肪も増えた。それを試合で使える身体にしている感じです。村上さんはイチから、グラウンドでのプレーにつながるように話してくれる。ブレイクダウン(ボール争奪局面)は低く、強くいかなくてはいけない。スクラムでは胸椎を上げる。だから(各種ウェイトトレーニングについて)このフォームだ、と」

 チームは昨季、関東大学対抗戦Aで2位だった。歴代最多の優勝を誇る大学選手権でも、2008年度以来優勝から遠ざかっている。LO桑野は入学以来、現在同6連覇中の帝京大の背中を追い続けている。

 6月7日、東京・早大グラウンド。春季大会グループA(各団体の上位3校同士による)の4戦目でその王者と激突する。背番号「5」は、しばし接点でしつこく抗った。「フィジカル的には、去年よりはだいぶ、差は縮まったけど…」。12-73。完敗した。彼我の差を認めるしかなかった。

「帝京大の前に出て行こうという強さ、上手さ、何とか1歩、出てやろうというものを感じました」

 もっともシーズンが本格化する秋以降は、この常勝集団から白星をもぎ取りたい。普段の鍛錬で、異質性を磨くほかない。21日には岩手・盛岡南公園球技場で、明大(対抗戦A・昨季3位)との春季大会ラストゲームに挑んだ(●14-66)。今後の指針を、LO桑野はこう語った。

「まずは1対1で負けない。もっと、立ち向かう姿勢を持たないと。倒しきる、1秒でも速く起きる、とか。岡田(一平主将・SH/CTB)さんも言っていました。『普通にやっていたら、どこの大学にも勝てない』と。ワセダの狂気。それを練習のなかから作っていく。個人としても、そういう意識のところが大事だと感じます」

(文:向風見也)

新風! 東京フェニックスRC、太陽生命ウィメンズセブンズで初女王。

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東京フェニックスRC、勝利の瞬間。四宮洋平監督が選手たちのもとへ。
(撮影/松本かおり)


 歓喜の瞬間、思い思いのスタイルで喜びを表現した。
 仲間と抱き合う。神に感謝する者。ピッチに倒れ込む選手もいれば、ただただ涙を流す少女も。6月20日、21日に秩父宮ラグビー場でおこなわれた太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2015 東京大会。東京フェニックスRCがカップ(最上位トーナメント)決勝でRugirl-7に19-15で勝ち、初めて頂点に立った。
 昨シーズンの3大会、今年6月に開催された保土ヶ谷大会と、すべて「ARUKAS QUEEN KUMAGAYA」(以下アルカス)が制してきた同シリーズ。ついに牙城は崩れた。セブンズの競技性と、進化を続ける女子セブンズ界の現状を表す結果だった。

 12チームが参加した今大会。初めて自衛隊チーム『UNITED SeALs』が登場したり、王者アルカスが大会史上初めて勝利を逃すなど(プール戦のRKUラグビー龍ヶ崎GRACEで12-12)、初日からピッチは熱を帯びていた。そして2日目、新風が吹いた。
 まずカップ準決勝だ。これまで無敵だったアルカスがRugirl-7に敗れた(7-17)。その試合で輝いたのが15歳、高校1年生の平野優芽だ。開始3分に先制トライを奪うと、後半立ち上がりにもトライ(このトライで17-0に)。勝利の立役者となった。
 そしてクライマックス。カップ決勝では、東京フェニックスRCが歓喜の真ん中に立った。いつもと違う光景にスタンドは沸いた。


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喜ぶ東京フェニックスRC。飯塚めぐみ主将は「試合メンバー外、
関係者も含め全員の思いの結果」。(撮影/松本かおり)


 NZからやって来た者。シンがポールからも。チーム生え抜きもいれば、他競技からの転向者も女子高生もいる。いろんなバックグラウンドの選手たちがいるから、喜びの表現法も違ったし、活躍の仕方もそれぞれだ。フェニックスは色とりどりの個性を、重ねた準備で束ね、優勝した。
 決勝戦の立ち上がり、高い集中力を見せた。先制点はキックオフを受けた後の攻撃。オフロードパスを受けたメレ・フファンガが、自陣から大きなストライドで駆けた。4分に速攻から仕掛けたRugirl-7にトライを許して7-5でハーフタイムを迎えたが、後半序盤にふたたび力を結集させて試合の流れをつかんだ。
 後半1分過ぎだった。ピッチ中央付近のスクラムから出たボールをマリア・トヴァが受け、スクラム横のスペースに走り込んだ(12-5)。その2分後には、よく球を動かし、継続した攻撃から塩崎優衣が左中間に飛び込む。ゴールも決まり、19-5とリードを広げた。

 その後は我慢の時間が続いた。Rugirl-7の抵抗も素晴らしかったからだ。14点のビハインドを追う相手は、5分に原仁以奈の前進から加藤あかりがトライを決め、その2分後にはPKからの速攻。平野が左中間に走り込んで4点差に迫ってきた。ここで全員が体を張り続けたから猛攻をしのぎ切った。
 ゲームキャプテンの横尾千里がよく前に出て体を当てる。鈴木実沙紀もしつこく守る。勝利の瞬間を迎えたときは自陣ゴール深くに攻め込まれていたから、その分、喜びも大きかった。

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後半3分、塩崎優衣がトライをあげる。(撮影/松本かおり)

 メンバー不足など、運営に行き詰まっていたクラブに四宮洋平氏がやって来たのは1年半強前(2013年の年末)。現在はチームの指揮も執る四宮監督は、メンバー集め、スポンサー探しをハイスピードですすめ、この日を迎えた。外国人選手の加入などインパクトある強化策が目立つが、試合内容を見れば、地道に活動を続けてきた成果がチームを支えていることがわかる。
「(女子ラグビー全体がそうですが)積み重ねてきたことが出せるようになってきた。これまで、前に出て止める、外に回す、それで終わりでした。だけどいまは、パスもランもキックもできるようになって、戦術での崩しもできるようになってきた。今回、分析を重ね、いくつもパターンを考え、準備をして臨みました。どうしても勝ちたい。そう思ったし、その勝ちたい気持ちで他を上回れたとも思っています。準備の段階ではいろんなことを言い続けました。でも、最後は選手たちに任せきりました。大会中、わたしはラクでした。勝てて嬉しいし、選手に感謝します」
 四宮監督は試合後の記者会見で、そう話した。、

 試合直後のインタビューでは、横尾ゲームキャプテンが「トライをとられても、ミスをしても、絶対に勝って最後はみんなで笑うことを信じて戦った」と話した。そして、チームMVPを問われると、「はじめて大人の中で戦ったのに頑張った塩崎優衣ですね」と言った。高校3年生ながら決して逃げることなく立ち向かい、攻守で激しく、低いプレーを見せた塩崎は、「緊張したけど大人の皆さんに支えられてやれた」と答えた。その初々しさに、スタンドからは大きな拍手が起こった。
 優勝セレモニー後には、大会MVPが発表された。そこで読み上げられたのは、Rugirl-7の高校1年生、平野優芽だった。
 初優勝チームの涙。大人の中で奮闘した17歳。そして15歳の大会MVP。梅雨空を吹き飛ばした。
 

<太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ 2015 第2戦・東京大会 決勝トーナメント>


▼カップ準々決勝(1~8位トーナメント)
・チャレンジチーム 39-0 石見智翠館高女子
・東京フェニックス 17-7 追手門学院大女子
・Rugirl-7 27-0 名古屋レディース
・ARUKAS 26-0 RKU龍ケ崎GRACE

▼カップ準決勝
・東京フェニックス 17-14 チャレンジチーム
・Rugirl-7 17-7 ARUKAS

▼カップ決勝
・東京フェニックス 19-15 Rugirl-7


▼3・4位決定戦
・ARUKAS 26-7 チャレンジチーム


▼プレート準決勝(5~8位トーナメント)
・追手門学院大女子 21-7 石見智翠館高女子
・名古屋レディース 21-12 RKU龍ケ崎GRACE

▼プレート決勝(5・6位決定戦)
・追手門学院大女子 12-10 名古屋レディース

▼7・8位決定戦
・石見智翠館高女子 12-5 RKU龍ケ崎GRACE


▼ボウル準決勝(9~12位トーナメント)
・日本体育大女子 19-14 UNITED SeALs
・YOKOHAMA TKM 48-0 世田谷レディース

▼ボウル決勝(9・10位決定戦)
・YOKOHAMA TKM 17-0 日本体育大女子

▼11・12位決定戦
・UNITED SeALs 39-7 世田谷レディース

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モデルチェンジした中大、春季大会Bグループ優勝! 大東大との打ち合い制す

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 点の取り合いだった。お互いがチームカラーを出し合った。21日、埼玉・大東大グラウンド。関東大学春季大会のグループB(関東大学対抗戦Aと同リーグ戦1部で昨季4~6位だったチーム同士の総当たり戦)の最終節で、中大が大東大を制した。ノーサイド直前に大東大のコンバージョンが外れたことで、スコアは40-39。昨季リーグ戦1部で5位だった中大は優勝に喜び(4勝1敗、勝点26)、同4位だった大東大はうなだれた(2勝3敗、勝点16で4位)。

 キックオフ直前、中大の輪からは部歌が響いた。勝てば優勝とあって、大一番の雰囲気を作った。かたや大東大は、簡潔なかけ声を発するだけでグラウンドへ散った。3年でキーマンのSH小山大輝は、1年時からコンビを組むSO川向瑛と軽くこぶしを合わせ、その時を待った。

 笛が鳴る。まずペースを掴んだように映ったのは、大東大だった。序盤こそ中大の粘り腰の守備を前になかなかゴールラインを割れなかったが、前半6分に口火を切る。3年で身長187センチ、体重100キロのWTBホセア・サウマキが、左タッチライン際を切り裂いた。続く12分にはWTBサウマキのキックパスに、新人のNO8アマト・ファカタヴァが反応。同じく左タッチライン際を駆け抜けた。これで0-12と、中大は主導権を握られた。

 大東大は、留学生を筆頭にランナーが持ち味を発揮。WTB戸室達貴は相手と十分な間合いを取れば、持ち前の加速力でタックラーをかわした。NO8ファカタヴァ、WTBサウマキにタッチライン際で球を持たせられるよう、グラウンド中央ではキッカーでもある1年生のCTBアピサイ拓海とFB中川和真もフットワークを活かした。

 そんななかSH小山は、中大の反則直後の速攻で何度も喝采を浴びる。「ディフェンスで頑張ろうと思った」とタックルしては起き上がって、またタックルした。38分、敵陣中盤右中間のスクラムの脇を、一気に駆け抜ける。トライ。ゴールも決まって19-24。

 後半終了間際のペナルティゴールと後半開始直後のWTBサウマキの約80メートルの独走トライで、大東大はさらにリードを広げる。中大は19-34と水をあけられたが、息は切れなかった。むしろ、息を吹き返した。後に、3年目のSO浜岸峻輝は述懐する。

「点の取り合いになることは予想していたけど、僕らはここまでアタックとフィットネスばかりやってきた。最後は、それが出た。負ける気はしなかったですね」


 大東大の反則をきっかけに敵陣へ入った中大は、そのままフェーズを重ねる。途中出場のSH住吉藍好がテンポよくさばき、周りのFW陣が「外から内」のコースへ駆け込んだ。厚いサポートも重ね、じわじわとゴール前へ進む。12分、LO西野嘉修がインゴールを割る。SO浜岸のゴールも決まり、26-34。続く16分、この日は何度もゲインラインを切っていたCTB白井吾土矛がさらに追い上げた。ここでもSO浜岸がコンバージョンを成功させ、33-34。

 守勢に回った大東大のSH小山は、25分、チームの「反則の繰り返し」による一時退場処分を受けた。「(自陣の)ゴール前。思いっきりバンと言ったら、レフリーに『バインドをしていない』と(相手を掴まない危険なタックルという判定)」。2分後、これまでゲインラインへの仕掛けで周囲を前に出していたSO浜岸が、自らトライラインを割る。ゴールも決める。40-34。ついに勝ち越した。

 ノーサイド直前、大東大は最後の反撃に出る。走者が力強く前に出る。38分、途中出場のNO8タラウ・ファカタヴァ(先発したNO8アマトとは双子のきょうだい)がインゴールへ。40-39。いざ、逆転のコンバージョンへ。CTBアピサイがボールを置く。

「まだ、1点差ある。相手も1年生。プレッシャーをかけよう」とは、中大のSO浜岸である。CTBアピサイは、「試合の経験が少なくて、プレッシャーがかかった」。球は、ポストの外側へそれた。ここでノーサイドとなった。

 敗れた大東大の青柳勝彦監督は、「フェーズを重ねて(タッチライン際に)余らせて取る。そういうやりたいことができなかった。(攻める前の)セットが遅かった」と振り返る。スクラムやラインアウトでのミスも悔やんでいた。一方、勝った酒井宏之ヘッドコーチは「アタックをやってきた。点の取り合いで勝てたのは嬉しい」とチーム作りに手応えを掴んだ様子だ。両チームとも秋のリーグ戦に向け、さらにストーリーを重ねてゆく。
(文:向風見也)

パナソニックに豪州代表マッカルマン加入! U20日本代表候補の田村も

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フォースの中心選手でもあるベン・マッカルマン(撮影:Yasu Takahashi)


 トップリーグ3連覇を狙うパナソニック ワイルドナイツは22日、オーストラリア代表として38キャップを持つNO8/FLベン・マッカルマン(27歳)の2015年度加入を発表した。
 マッカルマンは今月、オーストラリアラグビー協会と新たな3年契約を結んだばかりで、ワールドカップのスコッド入りが濃厚なトッププレーヤー。ウェスタン・フォースでプロキャリアをスタートさせたこの勤勉なハードワーカーは、ワラターズのオファーを断ってフォース残留を決めており、日本シーズン終了後はパースに戻ってスーパーラグビーに参戦する。

 マッカルマンはワイルドナイツ入りについて、「本当に嬉しく思っています。私のラグビーをより向上させ、そして日本の文化も経験できるこのような素晴らしいチャンスを与えてくれたチームとオーストラリア協会に感謝しています。とてもエキサイティングな機会だと思っています」とコメントを発表した。

 マッカルマンのほかにも、U20日本代表候補になったPR田村エマソン(19歳)の加入も決定。ニュージーランドの名門高、キングスカレッジ出身の田村は「勝てるチーム文化を持ったパナソニック ワイルドナイツの一員になることを、心から喜んでいます。そして、新たなチャレンジを本当に楽しみにしています。この機会を生かしてスキルアップし、チームが更に飛躍するための一助になりたいと思います。チャンスをくださった全ての方々に感謝しています」と意気込みを語っている。


サニックスにシン・ドンウォン復帰! 南アの若きPR、元織機LOも獲得

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ヘンカス・ファンヴィック(Photo: Getty Images)


 日本最高峰リーグのトップリーグ復帰をめざす宗像サニックスブルースが22日、今年度追加新入団選手3名を発表した。
 南アフリカから、スーパーラグビーのブルズでプレーしていたPRヘンカス・ファンヴィック(23歳)を獲得。サニックス所属LOジャック・ポトヒエッターの元チームメイトであるファンヴィックは、U20南ア代表候補にもなった若き逸材だ。
 そして、韓国代表のPRシン・ドンウォン(29歳)が古巣に復帰。2013年春に退団し、サントリー、近鉄と渡り歩いたが、宗像に戻って今季はトップキュウシュウで汗をかく。
 もうひとりは、昨季まで豊田自動織機でプレーしていたLOフィフィタ シオサイア(32歳)。U21、U23日本代表の経歴を持つフィフィタは日本国籍を取得しており、多くの出番を狙う。

 一方で、2年間在籍したPRベン・メイ(32歳)は退団が決定した。

【ラグリパWest】 関西ラグビー界の「ゴッド姉ちゃん」、上門真弓さん

ホンダが世界的大物2人獲得 南ア代表クッツェーと元豪州代表イオアネだ!!

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力強く突進する南ア代表のFLマルセル・クッツェー(Photo: Getty Images)


 ジャパンラグビートップリーグに再昇格したHonda Heat(ホンダヒート)が世界的ビッグスター2人を獲得した。南アフリカ代表26キャップを持つシャークスのFL/NO8マルセル・クッツェー(24歳)と、昨季までフランス最高峰リーグのスタッド・フランセでプレーしていた元オーストラリア代表のCTB/WTBディグビー・イオアネ(29歳)だ。

 クッツェーは、肉弾戦で頼もしく、スタミナ抜群のハードタックラー。力強いボールキャリーも魅力で、オフロードも巧みに使う。いまや世界最高のオープンサイドFLのひとりと評価する声は多く、昨年は南アの年間最優秀選手候補にノミネートされた。今秋のワールドカップで優勝を狙うスプリングボックスのキーマンであり、その後、Hondaで本格的にプレーする。

 オーストラリア代表35キャップを持つ人気選手のイオアネが2013年にフランス行きを発表したとき、豪州国民は悲しんだ。ワラビーズのXファクターといわれた弾丸ランナーのイオアネは、熟練味も備わってきた絶頂期に代表キャリアを捨て、海を渡ったからだ。2011年のスーパーラグビーでレッズの初優勝に貢献。トライ後のパフォーマンスでもファンを楽しませてくれるナイスガイは、今度は日本で新たなチャレンジを始める。

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ディグビー・イオアネ。胸には「魂」のタトゥー(Photo: Getty Images)

15歳の優芽。17歳の優衣。OG二人のMVPに杉並ラグビースクール沸く。

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チームは準優勝も大会MVPに選ばれたRugirl-7平野優芽。
(撮影/松本かおり)


 少女の名前が読み上げられると、スタンドから大きな拍手が起こった、
 6月20日、21日に開催された太陽生命ウィメンズセブンズ2015 東京大会ての大会のMVPが発表されたときだった。この大会でもっとも価値ある選手と評価されたのは、Rugirl-7の平野優芽(ひらの・ゆめ)だった。
 この大会の決勝で優勝したのは東京フェニックスRC。カップ決勝でRugirl-7を19-14で破った。敗れた側からMVPが選ばれたのは、それほど鮮烈な印象を残したからだ。あどけない顔。線も細い。しかし低く、激しくプレーが出来る。ステップが鋭い。15歳の可能性が選考した人たちの心をつかんだ。

 準決勝以降の働きを見ただけでも、平野の動きは素晴らしかった。昨シーズンから今年4月の大会まで、全4大会に優勝してきたARUKAS QUEEN KUMAGAYAを撃破した試合では2トライをマーク。1つめは、味方が敵陣深くまで持ち込んでできたブレイクダウンから判断よくボールを持ち出す。順目側、わずかなスペースを見つけるとインゴールに飛び込んだ。2つめのトライも、相手より先にチャンスを読み取り、反応して得たものだった。
 敗れた決勝でも追撃のトライを奪ったが、観戦者を惹きつけたのはタックルだ。40㌔以上重く、大きなNZ選手にもひるまずタックルに入る。足首に刺さると、パワーあふれる相手も止まった。
「怖くないことはないですよ。でも、ああしないと止められないので」
 笑顔で言った。小学1年生時からラクビースクールでプレーしてきたから、頭と体の反応がいい。

 東京・中野にある東亜学園高校にこの春入学した。ラグビーは小学校1生のときから杉並少年ラグビースクール(RS)で始めた。祖父と父がラグビーマンだったから自然だった。
 中学2年の途中から杉並RSで活動と同時にRugirl-7ジュニアにも加わり、若き才能を育てる女子セブンズアカデミー(日本ラグビー協会)のメンバーに選ばれ、力を蓄えていった。高校入学後はラグビーに役立つために、と『重量挙げ部』に入部。週3回のRugirl-7での活動を優先しつつ、体作りにも励んでいる。

 この日は杉並RSでコーチを務める父・幸人さんをはじめ、同スクールの指導者たちがクラブの横断幕を壁に貼ってプレーを見つめた。そのなかにいたスクールの宮島郁夫校長が言った。「優芽ちゃんは、ほんといつもいいところにいるんだよね。ボールが出てくるところが直感的にわかるんだよね」。他にもOGが何人か活躍している姿を見て幸せそうだった。
 平野はこの日の決勝戦、コンタクトプレー後に鼻血を出し、一時は出血退場でピッチ外に出た。しかし治療を終えるとすぐに戻り、その後も体を張り続ける気持ちの強さを見せた。父・幸人さんは「昔から鼻血を出すことはあったけど…やっぱり心配」と言いながら、逞しく育つ娘の姿が頼もしかった。
「隣りにニュージーランドのプレーヤーもいたので、安心し、思い切りプレーできたんじゃないでしょうか」

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左から小西想羅(Rugirl-7)、塩崎優衣(東京フェニックスRC)、
宮島郁夫校長と平野優芽(Rugirl-7)


 杉並RSのコーチ陣が喜んだのは、平野の活躍だけが理由ではなかった。他にも杉並OGが活躍した。同じRugirl-7では小西想羅(こにし・そら/國學院栃木高校1年)が力強いプレーを見せた。ファイナルを戦った相手、優勝した東京フェニックスRCには、平野の2学年上で杉並RS出身の17歳、塩崎優衣(しおざき・ゆい)もいたからだ。塩崎は決勝戦後、同チームのゲームキャプテンを務めた横尾千里から「チームのMVPです」と紹介された。こちらも平野同様に接点で逃げず、トライも決めた。相手外国人選手の突進を受け止め、ボールを奪い返すシーンもあり、始めて大人の中でプレーしたとは思えぬ活躍だった。

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左手首に「One Team, One Heart」の文字。普段はおっとり塩崎優衣。
(撮影/松本かおり)

 秩父宮ラグビー場の目の前、青山高校のラグビー部に所属している。父・淳さんの影響を受け、小学校2年生の時に岡山ラグビースクールで楕円球を追い始め、その後転勤で東京へ。小学校5年生時からは杉並RSでプレーした。東京フェニックスには昨年の秋から加わっている。
 この日は、決意を持ってピッチに立った。
「初日の名古屋(レディース)戦で抜かれた場面があったので、きょうはどうやってもいいから止める。そう思ってプレーしました」
 その思いが体を張ったプレーに直結した。ボールタッチも少なくなかった。
 四宮洋平監督は言った。
「僕は(塩崎が)これぐらいやることは分かっていたので、まったく驚くことはありませんでした。期待通りです」
「高校生(の女子)相手とはまったく違うプレッシャーを感じました」とは言うけれど、その中で高い対応力を見せた。

 15歳の大会MVPと、チャンピオンチームの中で選ばれた17歳のMVP。決勝戦でもふたりのマッチアップは何度かあったが、平野は「(決勝では塩崎と)直接ぶつかる場面はなかったと思います」。どれだけ必死だったかが伝わってくる。塩崎は、「優芽と相手にいるのは嫌だった。だってすばしっこいんですもん」と笑った。
 ふたりとも日本代表なりたい。東京オリンピックに出たい。ふたたび同じチームで戦い、もっと大きな栄光を手にしたい。

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激しくプレーする平野優芽(左)と塩崎優衣。(撮影/松本かおり)

 

豊田自動織機に新たな南ア代表選手 JJ・エンゲルブレヒトが加入!

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ブルズのスター、JJ・エンゲルブレヒト(Photo: Getty Images)


 2015-2016シーズンのトップリーグで上位を狙う豊田自動織機シャトルズが、スーパーラグビープレーヤー3人と契約を結んだ。
 注目は、身長190センチ、体重95キロのCTB/WTBで、南アフリカ代表12キャップを持つJJ・エンゲルブレヒト(26歳)。学生時代に東ケープ州でハードル走のチャンピオンだったこの男は、ブルズの力強いラインブレイカーとしても活躍してきた。豊田自動織機には同じく南ア代表経験者のNO8ライアン・カンコウスキーがおり、フォワードとバックス両方にボッカ(スプリングボックス)の魂を持つハードランナーがそろう。

 南アからはもうひとり、ライオンズに所属するLOアンドリース・フェレーラ(25歳)が加わる。テストキャッパーではないが、ブルズ、チーターズ、グリフォンズ(南ア2部リーグチーム)と渡り歩き、今年2月にライオンズと契約を結ぶ前は、イタリアのゼブレ(プロ12)でプレーしていた苦労人。
 そして、オーストラリアのメルボルン・レベルズで若き司令塔といわれていたブライス・ヘガティー(22歳)も、豊田自動織機の競争を熱くするだろう。ヘガティーはラグビーリーグ(13人制)経験者。ハンドスキルに加え走力もあり、SOとFBをカバーできる。

好評「エディー塾」開催まで、あと10日。ラストチャンス!

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毎回大好評。たくさんの刺激を感じられます。


 ワールドカップ直前! だが、エディー・ジョーンズ日本代表ヘッドコーチの熱意で実現する。『日本代表ヘッドコーチ エディー・ジョーンズのアンサンブルラグビー』だ。これは、エディーさんの「Sharing knowledge with coaches for Japan to produce skilled players」(スキルのある選手を日本に増やすため、コーチ/指導者たちに知識を伝授)という考えのもと、コーチするための知識、技術、考え方をエディー自身が伝えるもの。座学とグラウンドでのデモンストレーションを繰り返す濃密な2日間だ。
 募集開始後、すぐにたくさんの受講申し込みが届いた。しかし過去のセミナーの実績から、もう少しだけ受付可能とのこと。開講まで、あと10日。このチャンスに是非!

■2015年7月4日(土)、5日(日)〈雨天決行〉
慶應義塾体育会蹴球部グランド
※神奈川県横浜市港北区日吉4-1-1 東急東横線「日吉」駅より徒歩15分、または東急バス「慶大グラウンド前」下車

■講師    エディー・ジョーンズ(日本代表ヘッドコーチ)
    その他ゲストコーチ
■受講対象者    どなたでも参加できます(定員 60名)
■主催    アンサンブルラグビーR
    エディー・ジョーンズ(日本代表ヘッドコーチ)
    林 雅人(東京ガス ヘッドコーチ)
■後援    慶應義塾体育会蹴球部
■協力    ラグビーマガジン

■受講料(1名あたり)
    1日のみ        2日間
1名参加    23,000円    38,000円
2名参加    20,000円    33,000円
3名参加    17,000円    28,000円

■受講申し込み方法
下記メールアドレス宛にお申し込みください。申込書を返送いたします。
ensemblerugby@gmail.com Tel: 045-561-2136

■振込先
振込先:みずほ銀行 日吉支店
普通口座 2561085 「慶應義塾蹴球部特別資金」

■お問い合わせ
慶應義塾体育会蹴球部 「アンサンブルラグビーCS事務局」
e-mail: ensemblerugby@gmail.com
Tel: 045-561-2136
慶應義塾体育会蹴球部合宿所 担当:岩渕、足立、牛尾
アンサンブルラグビー窓口:上條


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★2日目講義後、エディーさんを囲んで簡単な懇親会を開催します。


■よくある質問
キャンセルはいつまで出来ますか?
A:6月末まで出来ます(全額返金)。

振り込み期限はいつですか?
A:正式なお申し込みから1週間以内でお願いいたします。

昼食はありますか?
A:希望者に有料(1,000円(税込)/1名)にてご用意させて頂きます。

韓国女子代表、トップリーグのトレーナーに。金銀辰さんの夢。

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夢の実現へ向けて充実の日々を送る金銀辰さん。早大・上井草グラウンドで。


 東京・上井草、早稲田大ラグビーグラウンド。
 ここで楕円を追いかける韓国人女子留学生がいる。
 金銀辰さん(キム・ウンジン)。早大スポーツ科学部3年生、21歳。国内のトップクラブ「神奈川タマリバクラブ」のトレーナー、そして「ワセダクラブレディース」に所属し選手として楕円と格闘する日々を送っている。平日は朝から大学の授業が夕方まで、終わるとジムでウェート練習。土曜日、昼間はタマリバの練習にトレーナーとして参加。夕方、ワセダクラブの練習、ポジションはHO。そして翌、日曜日はタマリバの試合に同行する。

 金さんは韓国釜山市の出身、地元の南山(ナムサン)高校を2013年3月に卒業後、4月に来日して早大へ入学した。
 高校時代は受験勉強と日本語の勉強に明け暮れていた。高校1年ですでに日本語能力試験1級に合格。地元で教員をしている父・和仙(ファソン)さん、母・千銀慶(チョン・ウンギョン)さんの勧めで大学は日本留学を選んだ。
「韓国は中学から勉強するかスポーツをするかで分かれてしまいます。私は勉強を選んだ。家族や親戚がスポーツに偏見を持っていた」
 偏見の理由はこうだ。父のいとこが有名なハンドボールの韓国男子代表選手だったが、引退後、道をあやまり反社会的勢力に。いとこは昨年、50代で死去した。

「大学ではスポーツトレーナーの勉強をしたいと思っていました。早稲田は韓国でも有名で両親も喜んでくれました」と言う。
 トレーナーに興味を持ったのは中学時代。心の悩みを持っていた時にあるプロ野球選手に出会った。ロッテジャイアンツ中堅手の李承和(イ・スンファ)選手。李選手は釜山商高を卒業後、2001年にロッテ入りしたが活躍できず悩んでいた。治療の関係で知り合う。「李さんから君なら頑張れる」と励まされ悩みを克服した。
「将来、スポーツ関係の選手をサポートする仕事をしたいと思った」
 李選手は今年、名前を禹?(ウミン)に変えロッテで15年目のシーズンを迎えている。

 ラグビーを初めて見たのは、大学1年の10月。知人にトップリーグ「東芝対パナソニック」の試合に誘われた。
「釜山はアメリカンフットボールが韓国でも盛んな地域で最初はアメフトだと思っていました。スクラムを見て驚きました。『交通事故』じゃないかと」
 翌年5月、高麗大ラグビー部が早大との定期交流戦で来日。早大ラグビー部に頼まれて高麗の通訳などを務めた。
「高麗の選手たちとたくさん話をしました。目の前の優勝を目標としながらも本気でラグビーを楽しみ、未来を考えている」
 前後してゼミの中村千秋准教授の推薦もあり、タマリバへトレーナーの勉強で参加することになった。そして、そこで多くの刺激を受ける。
「日本語の専門用語が分からず怒られることもありますが、社会人、学生といろんな方と交流を持つことができています。最初は年下の選手が年上にプレーの問題を指摘し要求することに驚きましたが、話し合える良い環境と分かった」

 今年2月にワセダクラブに入り、自身でプレーも始めた。昨年6月に高麗大から数名が早大へ練習に参加するため滞在した。その時、レディースの存在を知った。高麗大の選手から「女子はラグビーをしない方がいい」と言われたが、気持ちを変えたのはタマリバにトレーナーとレフリーを兼ねる先輩の存在だった。
「ラグビー経験者でラグビーを理解していて選手とコミュニケ―ションもすごく上手。私もラグビーをすれば選手と分かり合えることが増えてトレーナーの仕事に役立つ」
 レディースの中では初心者、まだまだレベルは先輩に追いつかない。部員が10数名でふだんはセブンズの練習をしている。タックルが楽しい。
「痛いと思っていたけど全然痛くないし、もっとぶつかりたい。今はHOですが15人制のラグビーにも関心があります。LOやNO8を経験したい」

 大学生、トレーナー、ラグビー選手と忙しい毎日を送っている。夢は大きい。大学卒業後は早大大学院へ進み、研鑽を積もうとしている。ラグビーもセブンズ、15人制と一層、打ち込みたい。
「高麗大の金世ファン選手(NO8、現4年生)と夢を話しました。私はトップリーグのトレーナー。ヨファン選手はトップリーグに入る。最初は冗談で話していたけど韓国代表になって東京五輪に出場できれば」
 日本で初めて楕円に触れ、魅力に取りつかれた韓国人女性が母国の代表ジャージーを身に着け、グラウンドを駆ける。そんな日が訪れてほしい。

(文・見明亨徳)



フランス女子がリオ五輪出場権獲得! 欧州2位ロシアは世界最終予選へ

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オリンピック出場を決めたセブンズ女子フランス代表
(写真は女子セブンズワールドシリーズより/Photo: World Rugby, Lorne Collicutt)


 2016年オリンピックの欧州予選を兼ねた女子セブンズ(7人制ラグビー)のグランプリシリーズが6月13日から21日にかけておこなわれ、カザン大会(ロシア)で準優勝、ブリーヴ大会(フランス)で優勝した女子7人制フランス代表が、シリーズ総合ポイントで1位となり、オリンピック出場を決めた。
 地元大会で優勝しながら、ブリーヴで決勝進出を逃したロシアは総合2位となり、世界最終予選へ回ることとなった。世界最終予選にはヨーロッパから4チームが出場できることになっており、残り3枠をめぐり、欧州予選で3位だったスペインのほか、アイルランド、オランダ、イタリア、ウクライナ、ポルトガル、ドイツ、ベルギー、フィンランド、スウェーデン、ルーマニア、デンマークが敗者復活戦に臨む。

 リオデジャネイロで来年おこなわれるオリンピック(女子セブンズ)には、開催国ブラジルのほか、昨季セブンズワールドシリーズで総合成績が4位以上だった国(ニュージーランド、カナダ、オーストラリア、英国)、南米予選1位のコロンビア、北米・カリブ海地域予選1位のアメリカも出場を決めている。

元オールブラックス主将ウマンガ、ブルーズの新ヘッドコーチ就任!

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ブルーズヘッドコーチ就任会見で意気込みを語るウマンガ
(Photo: Getty Images)


 ニュージーランドのオークランドを本拠地とするスーパーラグビーチームのブルーズは23日、新ヘッドコーチに、元オールブラックス主将のタナ・ウマンガ(42歳)が就任すると発表した。3年契約。
 スーパーラグビーで優勝3回の戦績を誇るブルーズだが、過去4年連続で10位以下と低迷し、今年はチームワーストの3勝13敗(14位)という成績に終わったことで、先週、ジョン・カーワン ヘッドコーチが辞任を発表していた。

 ウマンガは選手時代は主にCTBでプレーし、ウェリントンやハリケーンズのファンを熱狂させた英雄。ニュージーランド代表として74キャップを重ね、そのうち21試合で主将を務め、偉大なリーダーシップを発揮して史上最高のキャプテンのひとりといわれた。
 
 フランスのトゥーロンに在籍していた頃(2006~2010年)から指導者としてのキャリアをスタートさせ、ニュージーランドに帰国後はカウンティーズ・マヌカウのプレーヤー兼コーチを務めたあとヘッドコーチとなり、1年目で国内1部リーグ昇格を遂げ、翌年には初めてランファリーシールド(NZラグビー界で100年以上の歴史を持つ権威ある盾)獲得を実現した。

 昨年4月にはアジア・パシフィックドラゴンズの指揮官として来日し、大阪・近鉄花園ラグビー場で日本代表(JAPAN XV)を35-29で倒している。

 今年は、U20ニュージーランド代表のアシスタントコーチとして4年ぶりの世界一に貢献。6月に開催されたワールドラグビーU20チャンピオンシップの期間中、いとこのジェリー・コリンズ(元オールブラックスFL)が交通事故で亡くなるという悲しい出来事もあった。

 日本チームも参加する2016年のスーパーラグビーからブルーズを指揮することになったウマンガ新ヘッドコーチは、「興奮している。そしてもちろん、我々の前には大きなチャレンジがあることもわかっている。とてもすばらしい選手たちがおり、彼らと一緒にやることを楽しみにしている。(再建に向けて)すぐに解決できる方法はない。厳しくやっていく。フィールド上でいいパフォーマンスを見せたい」と意気込みを語った。

NZの英雄またひとり他界 元オールブラックのベリーマンさん42歳で天国へ

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ブルーズWTBジョエリ・ヴィンディリ(右)と競るクルセイダーズCTBノーム・ベリーマン
(Photo: Getty Images)


 1990年代後半のスーパーラグビーでファンを興奮させ、多くの人に愛されたノーム・ベリーマンさんが、42歳の若さで亡くなった。23日に『ニュージーランド・ヘラルド』紙などが大きく報じており、オーストラリアに住んでいた元オールブラックのベリーマンさんは、心臓発作で帰らぬ人になったという。
 今月はじめには同じく元オールブラックス選手のジェリー・コリンズさんが交通事故で34歳の若さで亡くなっており、ニュージーランドは悲しみに包まれている。
 
 同国メディアによれば、ベリーマンさんは10日ほど前におこなわれたコリンズさんの追悼試合で、かつての仲間と一緒にプレーしていたという。

 柔らかな走りを活かしたラインブレイクが魅力で、“ストーミン(嵐)”の愛称で親しまれたベリーマンさん。CTBとして、チーフス、ブルーズでプレーしたあと、1998年から2000年にかけてはクルセイダーズで活躍し、スーパーラグビー3連覇に貢献した。
 1998年にはオールブラックスに選ばれ、8月15日の南アフリカ代表戦で途中出場し、最初で最後のテストキャップを獲得。
 クルセイダーズを退団したあとはフランスでプレーし、2003年に帰国して、古巣のノースランドやマオリ代表で若い選手の見本となった。

 選手生活の晩年はシドニーのクラブチームで過ごし、引退後はオーストラリア西部のパースに住んで、フォークリフトの運転手として働きながら、6人の子どもを養っていたという。

<ノーム・ベリーマン YouTube動画 by SKY Sport NZ>

肉! 花火! お祭り! 7月11日、ダイナボアーズフェスタ2015開催

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 7月11日(土)の16:00~19:00、三菱重工相模原グラウンドにて『ダイナボアーズフェスタ2015』が開催される。たくさんの楽しいイベントが盛り沢山。是非、ご家族で。
 入場は無料。雨天時は中止となり、決行か否かはホームページに12:00に掲載される。
 フェスタのテーマは、今年も、「肉だ! 花火だ! お祭りだ!」。当日はたくさんの屋台が出る予定だ。肉料理にビールなど、充実のメニューがファンの方々の来場を待っている。
 相模原の空を彩る満開の花火も楽しみだ。三菱重工相模原の敷地内から打ち上げられ、見る人を魅了する。ゲームや縁日で楽しみ、おいしいものを食べ、飲んだ後に訪れる癒しの時間だ(花火は19:00過ぎを予定も、雨天、強風等、天候によっては安全の関係上実施を見送る場合あり)。
 他にも、下記のような楽しい企画あり。退屈はさせません!

■たのしい縁日コーナー!

お子様連れのご家族もお楽しめる縁日が盛りだくさん!

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■自慢の肉体!
選手たちの渾身の一芸やラグビースーパープレーを披露!

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■ダイナボアーズウォーターパーク!

選手と水鉄砲でゲーム。勝負だ!(雨天時中止)

■一足早い夏祭り!
夏の風物詩、盆踊りをみんなで踊りろう!

【詳細、最新情報はチームHPまで】
http://www.mhi.co.jp/gsh/dynaboars/

南ア代表の21歳司令塔、ハンドレ・ポラードが短期契約でドコモ入り!

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アイルランド代表のディフェンスを切り裂く南アフリカ代表SOハンドレ・ポラード
(Photo: Getty Images)


 いま、世界で最も輝いているラグビースターのひとりと言っていいだろう。21歳、身長189センチ、体重96キロの超新星。ハンドレ・ポラードが、ジャパンラグビートップリーグに参戦する。射止めたのは、NTTドコモレッドハリケーンズ。

 今度の大物も南アフリカからだ。キヤノンイーグルスがFB/WTBヴィリー・ルルーとSH/WTBフランソワ・ホーハートをダブルで獲得し、ホンダヒートにはFL/NO8マルセル・クッツェーが加入、豊田自動織機シャトルズはスリークォーターバックのJJ・エンゲルブレヒトとサインを交わしたが、NTTドコモには、今秋のラグビーワールドカップで南ア代表(スプリングボックス)の10番を着ることが有力視されているポラードが加わることが明らかになった。

 ドコモの正式発表はまだおこなわれていないが、23日、彼を保有するブルーブルズ・カンパニーが期限付き移籍を認めたことを公表した。

 ワールドカップ終了後の11月1日から1月末までの3か月契約とされ、2月にはブルズに戻り、スーパーラグビーに参戦する予定。ポラードはブルズとすでに2017年末までの契約を結んでおり、南ア協会とともに、2019年まで延長する方向で話を進めている。

 ポラードは16歳の頃から、ハイネケ・メイヤー現南ア代表ヘッドコーチが目をつけていたゴールデンボーイ。18歳になったばかりの2012年6月にU20南ア代表の司令塔を務めてジュニアワールドチャンピオンシップ(現ワールドラグビーU20チャンピオンシップ)初優勝に貢献した。昨年の同大会では主将として決勝に導き、優勝は逃したものの、国際統括団体であるIRB(現ワールドラグビー)の年間最優秀ジュニア選手賞に選ばれた。当然、南ア国内アワードの最優秀新人賞にも輝いている。

 昨年、スーパーラグビーデビュー。数か月後にはスプリングボックス入りを果たし、早くもテストマッチ9試合に出場して7試合で10番をつけた。
 常に冷静で決断力があり、パス、ラン、キックも成長著しい。

 ワールドカップの激闘後、文化や生活スタイルがまったく異なる環境に身を置き、しかも短期間でどれくらいドコモラグビーに順応できるかわからないが、ポラードが本気でコミットすれば、NTTドコモレッドハリケーンズはまさに旋風を起こすかもしれない。

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